Archive | 10月, 2017

Tags: , , , ,

スプレッド/形式の諸問題(バレットジャーナル考)

Posted on 29 10月 2017 by

※記事二本分まとめてみました

スプレッド

ノートという場に広げる 断片の時間

ひとつひとつをまさぐる だけでなく
ひとつひとつをひとつに 編み上げる
時間を空間に移しかえて 展開させる
最適化効率化有用化して 時間に返す

ケルト十字 スプレッド

人は時間に生きるに非ず 空間に在る
ノートという広場でこそ 人は自在だ

(読解)

 

形式の諸問題(バレットジャーナル考)

こだわったとたん、その形式に縛られたことになるからだ。縛られてはいけない。さまざまな形式を、例えば音符のように使いこなさなければいけない。音符のように、自在に組み合わせることが出来なければ、形式の意味はない。(後藤明生 『この人を見よ』p.184 幻戯書房 2012年8月12日 初版)

1.PoIC(Pile of Index Card)

GTD(Getting Things Done)という方法が日本の情報カードと出会って生まれた方式。詳しくはこちらを
 PoIC : 情報カードの積み重ね(2007年9月7日 Hawkexpress) http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/poic/0001

もともと、GTDは、日々のタスクをいかに効率的に処理していくかを追求した方法論でした。従って「何かを蓄積していく」というタイプのものではなかったのです。
一方、日本に根付いていた「情報カード」術は、日々の気づきを蓄積しておいて、必要に応じてそれらを取り出し、並べ替え、新たな気付きを見出そう、というものであり、効率的なタスク処理のためには、別の方式の導入が必要でした。
タスクは、時系列順に並べられるべきであり、未処理のタスクは次々と相応の未来へ送っていかねばなりません。また同時に、締め切りを厳守しなければならないものについては、リマインダー機能が必要不可欠です。

2.デジタルとアナログ


PoICをEBT light for zaurus上で運用するためのスタディ(2013年8月)

ノートとペンによる方法と、電子端末でソフトウェアによって運用する方法との、最も大きな差は、「一覧性」であり、これは「検索性」と「リマインダー機能」に現れると思います。
GTDでは、カレンダーという(紙的)フォルダがあり、締め切りがあるタスクについてはそこで一括管理します。これは、卓上カレンダーなどへ「転記」することによって、一覧性(リマインダー機能)を補完します。
PoICにおいては、このカレンダー機能が実装されていなかったため(原則として全てはカード作成の時系列順)、なんらかの、カレンダー的ドックを導入することになります。

参考1 Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門 第4回 GTDとPoIC~相補完する思考第4回(2008年3月13日 野ざらし亭)http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/re-poic/0004?page=2
参考2 Poic マニュアル v3.5 http://pileofindexcards.org/wiki/index.php?title=%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 より「43TABの実装について」

これらをデジタルで行う場合には、以下のソフトが有用でした。

PoIC+43Tab風運用→EBT light for zaurus  http://seesaawiki.jp/irrational/
GTD(リマインダー機能)+PoIC→howm for linux  https://howm.osdn.jp/index-j.html

しかし、現在はほとんど活用できていません。やはり、ノートとペンという方法には、汎用性と安心感があるのです。(バッテリー問題や、端末への依存度に不自由を感じてしまいます)

3.マーク(バレット)と転記による補完

では、アナログ派は「検索性」「一覧性」「リマインダー機能」をどのように補完すればよいでしょうか?
参考 100円ノートの「超メモ術」 http://www.kirari.com/amz/note/

バレットジャーナル

最近バレットジャーナルがシェアを広げているようです。これは、タスク特化型の方式として、カード運用されていたGTDをノート上で運用する方法論の一つだと思います。

『「ラピッドロギング」では、バレットを用いて箇条書きしていきます。箇条書きの各項目は全て、客観的な短文で描いて下さい。』
(バレットジャーナル公式サイト「入門ガイド」日本語訳 2017年07月28日 2017年08月22日)http://bujo-seikatsu.com/2017/07/28/getting-started/

GTDでは、気になることを書き出したら、それらひとつひとつを、実現可能な小さいタスクに分解してから「整理」する(各処理へ振り分ける)ことになっています。
参考:はじめてのGTD 田口元 ITmedia  http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0606/27/news003.html

 


GTDが定める厳格なフローチャートのスタディ(2013年8月)

GTDではこれらのタスクをいくつかのフォルダに分類し、処理した後、定期的に「収集」という方法によって進捗状況を更新します。
一方、ノート上で完結させるバレットジャーナルでは、各バレットに付加する・×(完了タスク)、・>(移動タスク)、・<追加タスク、などの記号と、これらの「見返し」による「転記」によって、この処理を実現します。
カード式とデジタル式には不要で、ノート式の場合に必要となるのが、この「転記」作業です(「インデックスページ」の準備も、ここに含まれます)。

これを手間ととるか、「一覧性(銘記性)」と「リマインダー機能」の強化作業ととるかで、好みが分かれるのだと思います。

4.「タスクの書き出し」こそが最大のポイント

GTDにおいて、もっとも重要なものは、「収集」で、今頭の中にあることを、週に一回、1時間以上かけて100個位は書き出すことが推奨されています。そのための「トリガー」も用意されており、とにかく、頭の中のもやもやを空っぽにすることが第一の目的なのです。
タスクの効率的実行を目的とするバレットジャーナルの「基本マニュアル」では、この工程が弱い気がしました。タスクとなる以前の塊を広げる場が、用意されていないからです。

イベントは、例えば「チャーリーの誕生日」や「リースの契約日」など、日付が重要となる項目で「○」で表します。イベントは、ラピッドロギングが可能になるように客観的&手短かに書かなくてはいけません。それがどんなに主観的・感情的で厄介なことでもです。もしそのイベントについて詳しく書きたいのなら、別ページに好きなだけ書いてください。ここではあくまでも「ラピッドロギング」方式でシンプルに書きます。(同上 バレットジャーナル公式サイト「入門ガイド」日本語訳)

GTDでは、「収集」した項目を、「整理」する過程で、「タスクの細分化」と「タスクの性質の判断」を同時に行わなければならない点がネックとされています。

その点、バレットジャーナルは、いきなり「整理」から始まっているように思われ、その根本となる「箇条書きすべき内容」を確定すること自体に、困難を感じるように思います。
もちろん、バレットジャーナルでは、無数のモジュールが可能なので、GTDにおける「収集」的モジュールを、別の場に設けることで、解消できるでしょう。

5.アイデアの収集と蒐集

PoICは、「収集内容を情報カードとしての蓄積」します。日々の気づきも重要ですが、集中的に行いたい場合に強力な「トリガー」となるのは、ブレインストーミングの諸方法、「マインドマップ」や「マンダラート」といった、発想法などです。

情報は蓄積され、相互に関連付けられた時に「知識」となります。

前述したEBT lightの、「無階層の双方向リンク機能」や、howmの往復リンク+wikiタイプリンク機能は、作者さんの「知識」に関する深い洞察によって組込まれたものです。

ブックタイプのインターフェイスでこの機能を担うのはさしずめ「索引」でしょうか。しかし、この機能をアナログノートで実装するのはひじょうに困難です。

日付、ページ数、行番号などの記載を徹底化し、>>や、<<や、==などの記号欄をもうけ、その内容を「索引ページ」に記していく。それはまさに、「私家版ビブリオマシーン」の制作といえるでしょう。

書いたことを覚えておけばいい、というのでは、頭を空っぽにした意味がありません。

一覧機能やリマイド機能や索引機能。これらはみな、「検索」にかかわるテーマです。ノートの検索性の向上する形式とは何か?これは今後も課題でありつづけるのではないかと思います。

参考 MIDORI検索ノート http://文房具大図鑑.com/note/midori-kensaku-note/

(前略)こだわらないための形式。縛られないための形式。その矛盾こそ自由だからである。その自己矛盾こそ、そもそも形式というものだからである。(同前書 p.195)

 

おまけ(2013年のトラベラーズノート)

1)今回掲載した2013年のトラベラーズノートの図版では、ジェットストリーム0.7をメインに使っていた。時間がたつと、ページ全体が油紙のようになり、裏抜けは致命的となる。
2)当時の利用状況としては、余白もおおく、横書きメインで使用していた。PoICを導入しようとしていて、タイムスタンプと、PoIcマークを義務付けていた。この後から、「リンク記号」を赤のuni signo 0.28で書き込んだりしている。
3)ノートの読み返しは、頻繁に行っており、EBT light や、howmへの入力(転記)も積極的に行って、全文検索などによる検証を繰り返していた。

 

Comments (0)

Tags:

Note of the note ―ノートの調べ p.1 高山宏さんのコンポジション

Posted on 15 10月 2017 by

はじめに

「Note of the note -ノートの調べ」 と題し今回から始める不定期シリーズ。
このシリーズでは、著名人のノート、手稿、手帳、日記などを紹介し、そこに込められた作法と思いを検証していく。

第一回目は 高山宏さんの「コンポジション」を堪能する。

出典について

出典「ブック・カーニバル」
1995年7月1日初版。自由国民社。6,800円

コンポジション掲載ページは以下の通り ※副題は筆者
pp.44-99 ビブリオマシーン
pp.268-284 ダッシュアウト(さっさとメモ)
pp.698-714 ラインの発動
pp.1069-1092 コラージュのハンドアウト(配布教材)

高山宏さんについて

1947年10月生。時空を隔てた書籍の膨大な知を、全てをインデックス化する(ビブリオマシーン)ことで、一冊の書物となす博覧強記の人。
澁澤龍彦さん(1925..5)、種村季弘さん(1933.3)、由良君美さん(1929.2)、に耽溺し、グスタフ・ルネ・ホッケの『迷宮としての世界』と『文学におけるマニエリスム』をバイブルに、マニエリスムを体現。
東京大学教養学部助手の2年間で、同大学英語科書架にある約5万冊の閉架蔵書を検索する「カード検索システム」を作成。人名、キーワード、などで関連書籍を芋づる式に引くことを可能とし、ここに、5万冊を一冊の書物と成す。この、厚さ70センチメートルを超えるカード束を「ビブリオマシーン」と呼ぶ。

『もはや一冊一冊の内容には興味がない。それらの相互の生成関係、エリオットが「伝統」、フライが「トポス」と呼んだものにしか関心がわかなかった』(『ブック・カーニバル』p.38)

図版と考察

1.『「コンポジション」と称して、喋ったり書いたりする内容を事前の10分前くらいにダッシュアウト(さっさとメモ)する。(同書 pp.268-269)

あまりにも膨大な知識は自在に流動し、常に新たな地平を生み出す。講義や打ち合わせ、対談などのアウトプットの際も、その流動は留まることはないため、つねに制限時間との闘いとなる。そこで、事前に、本日の地平をマッピングしておくことで、脱線を制限する。それが、これらのコンポジションである。

2.『遅刻で有名なのは、レクチャー前にこういうのをつくりだして結構夢中になるからである』(同書 pp.278-279)

アウトプットするたびに、新たな発見がある。その発見が新たな繋がりをもたらし、地殻変動を起こす。そのとき、地を割って現れる帝国であったり、湖の底から出現する未来文明だったりの第一発見者となれるのだ。夢中にならないわけはない。知性は貪欲で留まることはない。それはつまり、「分断」に「抗うこと」なのではないか。

3.『何かを何かにつなぐ「線」の乱舞は、相手を説得しようとしている時によく生じる』(同書 pp.1070-1071)

点のように穿たれる「分断された知識」。だが、それらは常に別の知識とリンクすることを求めている。全体性への回帰。しかし、部分は全体の一部ではない。したがって、こうした全体性は常に「今、ここに出現する砂の書物」として、揺らいでいる。

4.『縦軸から横軸への自由な交流』(同書 pp.1080-1081)

時間を縦軸とするラインが、地理的、または分野的隔たりによって複数の柱を成す。それらの関係性をつなぐ横のラインが、格子状に世界を覆っていく。そして、突如として現れる斜めのラインこそ、高山氏流、脱線おしゃべりラインである。発見はつねにナナメの動き(クリナメン)によって生成される。

まとめ

書くほどに広がる博学のマトリクス。その場限りの気合によって現れる再現不能な砂の書。知性は観念連想によってリンクし、プレートテクトニクス理論を展開する。

『人生でさえ、痛みでさえ、いつでもチャート化できるのだ』(同書 p.1079)

コンポジションに共通する特性は、「スピード」である。書いているうちに頭脳のなかの観念の奔出に、手が追いつかなくなり、文章はキーワード、そしてチャートへと変化していく。今このときでなければ解読不能な思考経路。

既成の重力を振り切るための速度を得て、知性はあらゆる制限を超えて広がっていく。そして、その軌跡を生成記録するのが、高山宏さんのコンポジションだと思う。

書きたいノートである。(以上)

Comments (0)

Tags: ,

ゴーサイン

Posted on 08 10月 2017 by

言葉の墓をあばかずに
言葉で墓をあばくんだ
着る言葉より脱ぐ言葉
骸を弄ばず引導を渡せ

潜るより飛び出すべき
同じことはできるけど
鏡面は厚みを持たない
より間違いのない方を

 
分からなくなってから
辿り着くまでまだ長い
黙ってて邪魔しないで
忘れたことは何もない

私の覚悟は超弩級だし
未来永劫に若いんだし
ノートには全てあるし
好奇心は尽きないから

ノートの中にはいつも
気付いたあなたがいて
続いてる繋がっている
それが何より素晴しい

 

分かることは何もない
だからどこまでも行く
世界は全て剥き出しだ
あとは取り出すだけさ

                                (放流)

 

Comments (0)

October 2017 Calendar

Posted on 01 10月 2017 by

★2017年10月のカレンダー

ポケット用
http://notebookers.jp/calendar/calendar2017_10.pdf

ラージ用
http://notebookers.jp/calendar/calendar2017_10_L.pdf

Comments (0)

Tags:

Notebookersお題 09/12/17,22:47 装置について考えよう

Posted on 01 10月 2017 by

タカヤさんのツイート 09/12/17,22:47

【Notebookersお題】 装置について考えよう。エンパイアステートビルディングの上から卵を投げても割れない装置について考えよう。腕時計の針の中心部がどのように固定されていて、どのように回転しているのかググらないでスケッチしてみよう

今回は、
「エンパイアステートビルディングの上から卵を投げても割れない装置について考えよう」
を考えました。
エンパイアステートビルディングから卵を投げる。となると、屋外に出られる86階の展望台(320m)からでしょう。写真で見る限り、卵投げ放題です。(よい子のみんなはまねしないでね)

Mission 0 持ち込ませない

お題は、「投げても割れない装置」ですが、とにかくビルに持ち込ませなければ、投げる事はできず、つまりは割れない、と考えました。

  • 法整備
  • 身体チェックの徹底
  • 相互監視と密告制度

Mission 1 投げさせない

お題は、「投げても割れない装置」ですが、投げさせなければ、落ちることはなく、つまり割れない、と考えました。

  • クリスト&ジャンヌ・クロードによる「梱包」
  • 食べ物をおもちゃにしないという教育
  • 卵が命であるという情操教育
  • 罰則規定
  • キャンペーンによる周知徹底
  • スナイパーの配備
  • すきやきを振る舞い「卵は自前でお願いします」という

 Mission 2 インターセプト

なぜ、卵は割れるのかを考えたところ「地面に激突するから」ということがわかりました。ならば地面に激突する前に受け止めればよいと考えました。

  • 追っかけてバンジー
  • タモで掬う人海戦術
  • 鷹匠に依頼
  • キング=コングの活用
  • ビルにエリマキトカゲ的なエリマキを装備する

Mission 3 落下をゆっくりにする

地面に衝突するときにスピードが速いと衝撃も大きくなるのだそうです。なので落ちているときのスピードを緩めるための装置がよいと考えました。

  • 上昇気流発生装置
  • うわばみに呑ませる
  • 七年目の浮気の地下鉄
  • 水芸
  • 卵にパラシュート

Mission 4 衝突を間延びさせる

地面に衝突してからスピードが0になるまでの時間はゆっくりなほうがいいのだそうです。卵を地面にそっと着地させるための装置がよいと考えました。

  • ジャッキー・チェン御用達のダンボール箱
  • 速度調整自在のリフト
  • 何層にもなった薄い膜(ミルフィーユ)
  • 膝を上手に使う

Mission 5 その他

上記分類の複数にまたがるもの、もしくはどこにも当てはまらないものを考えました。

  • 地球貫通孔(着陸させないため)
  • ビル埋没(高さをなくすため)
  • イチロー選手を活用(スーバーキャッチ)
  • 時空の歪み(エッシャーの「滝」のような)
  • 衛星軌道からのレーザー照射(蒸発)
  • VR

結論

やはり、装置っぽいものがいいと思いました。

①うわばみとタモを組み合わせた方法
加圧効果の高いストッキングを250メートル用意し、それを装着したタモで卵をキャッチします。自動で動作すると装置っぽいです。卵は、表面の摩擦によって次第に速度を落としやがて停止するでしょう。
②速度調整自在のリフト
落下している卵の真下へ設置し、リフトを上昇させます。接地するやいなや卵の落下速度と同じ速度でリフトを降下させ、次第にリフトの速度を落としてそっと受け止めます。リアルタイムコンピューター制御でないと不可能です。

いづれも、壁面からあまり離れては届かないことに注意が必要です。案外意外性のない結論になり、なんだかすいません。

重大な見落とし

こうして、卵を受け止めるための装置を考えてきましたが、「卵そのものに装着する装置」という観点に考えいたりませんでした。

参考:「エッグドロップ」という名称で調べると、いろいろ出てきます。おもしろいです。 (以上)

おまけ(マンスリー絵日記9月)

 

 

Comments (3)

Photos from our Flickr stream

See all photos

2017年10月
« 9月   11月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

アーカイブ