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My favorite Xmas movie #1

Posted on 29 11月 2012 by

『友達がいる人間は、敗残者ではないよ』

素晴らしき哉、人生!

1946年制作なので、モノクロであります。


せっかくクリスマス前なので、クリスマスの映画のレビューを。
アドベンド企画っぽく、1週間に1回、何かクリスマス映画について書けたらいいな、と。
その1本目です。

ワタシはファンタジーが好きで本を読んだり、映画を見たりしているんですが。
えー、例えば、2012年12月に公開される(もうすぐー♪楽しみー♪)『ホビット』の魔法使いガンダルフ、とか。
原作の方、ル・グウィンの『ゲド戦記』のゲドとか、彼等がすごく好きなんですが、彼等には共通点がありまして。
『(魔法使いのくせに)魔法を使わない』そして、すごく好きで忘れ得ない魔法が『魔法じゃない、そのひとの行動であり、心の働き』、だったりします。
(ファンタジーを読んでいるイミがあるのか、という好きポイントですが)
そして、もうひとり。
彼は魔法使いじゃなくて、天使です。二級天使。二級なので、まだ翼がないです。そしてびじんじゃなくて、えー、フツーのじーちゃんです。
そして彼も、…魔法は一応使うんですが、えー、現実には働きかけない、まやかしのようなもの、それだけの魔法です。

映画に出て来る天使と言えば、『コンスタンティン』のガブリエル@ティルダ様、何だっけ、デンゼルワシントンも天使になってたなあ、『ベルリン・天使の詩』、トラボルタ演じる天使がノリノリで踊る『マイケル』、等等ありますが、多分、ヴィジュアルとしては一番イケてない、そして多分、最も愛されて、繰り返し上映され、鑑賞されてきた天使が、この映画に出て来ます、コレであります。>『素晴らしき哉、人生!

二級天使クラレンスとジョージ

左:(翼のない)天使、クラレンス。着ているのはドレスシャツじゃなくて、肌着(奥さんのお手製)。

wikiでは、コチラになります>コチラ
1946年(つまり昭和21年すげえ)制作。フランク・キャプラ監督作。

主人公ジョージ・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)。
イイヤツなんだけど、何かと星の巡りが悪いらしく、冒険家になる夢を家を継ぐために断念し、その家業、住宅金融会社の経営も山あり谷あり。
幼なじみとの結婚とか、世界大恐慌とか、子供が生まれるとか、ベイリーパークと呼ばれる住宅街ができるとか、エピソードがあって、そんで。
一緒に会社を運営している叔父さんが8000ドルの資金を紛失してしまいます。
そこを悪役の悪徳資産家ポッターが絡んできて、ジョージは進退窮まり。
もう自殺しかない、と、クリスマスの夜に河へ飛び込もうとしたトコロ…
以下、ネタバレになりそうなので、白黒反転~。

ジョージより先に飛び込んだのが、クラレンスという二級天使。
翼がない、ビジュアルがただのじーちゃん、そして自称「天使」。
胡散臭いことこの上ないんですが、そこは天使なので、やる時はやってくれます。
「自分なんていなくなればいい」と言うジョージに、とある魔法をかけます。
その魔法というのが『ジョージが生まれなかった世界を見せる』こと。
ひとが一人、いないこと、その世界全体への、他の大勢のひとへの影響、たった一人、いないだけで、どんなに世界が変わるか。
ジョージが見た『ジョージ・ベイリーのいない世界』
とは…

結果として。
クラレンスはジョージの望むもの、伯父さんが失くした資金も、冒険家になること夢も、何一つ与えないんですが。
クラレンスが見せたまやかしの世界から『現実』に戻り、状況は依然変わっていないんですが、ジョージはそれでも「人生は素晴らしい」と言い、世界とひとと自分を祝福できるようになります。
そして、『何ひとつ変わっていない現実』で、ジョージを救うのは、魔法が使える天使ではなく、生身の人間、友人たち、でした。
魔法よりすごいことができる人間、
いいなあ。

ワタシがすごく好きなシーンとして。
ラストの一連のシークエンスはほんっとーーーにすんばらしーのですが、ネタバレもネタバレなので割愛します。
なので、もうひとつ。
ジョージの新婚旅行が世界大恐慌にぶつかってしまうトコロ。
ホントに景気の悪いエピソードですが、その中ですっごくイイシーンがあります。
預金を払い戻すのに、新婚旅行の費用を充てるのですが、預金の全額を要求するひと、「あなたのお金よ」と言って当面の生活費だけでいいと言うひと、その中で。
デイビス夫人というカワイイおばさんが「17ドル50セント」と、何かメモを見ながらそう言います。
ジョージは、この『本当に必要な額だけを言ってくれた』ことに感極まって、デイビス夫人の頬にキスをする。このシーンは本当にダイスキー!
(結果として、2000ドルから2ドルだけ残ります。つまりデイビス夫人がざっくり20ドル下ろしていたら、払い戻しができなくてジョージの会社は破産することになる?)

この映画は。
クリスマスの時期になると、アメリカでは必ずテレビで放映される定番の映画だそうです。
そんで、映画学校の監督科や脚本科では、「この映画を基本、お手本とするように」と未だに言われている、らしい。
あのWアレンも、『人生万歳!』でも、この映画を、(ほぼ)象徴的に扱っています。

「あなたがいなかったら、世界は全然違うものになるのよ」
と言う女性に
「『素晴らしき哉、人生!』かね? そいつはたいそーなこった!」
みたいな。

リュック・ベッソンの『アンジェラ』という映画は、まさしくこの映画のオマージュで。
(ただ、監督がベッソンなので、天使はスレンダーでショートカットの美形のおねーちゃんになっております。ジョージ役は、どこから探してきたんだ、クローンか、というくらい、ベッソン似の役者さん)

でもって、小説『幽霊たち』(オースター著)にも。
『過去を逃れて』という映画との対比として、この『素晴らしき哉、人生!』が出てきます。
『過去を逃れて』の主人公が使っていた偽名が ジェフ・ベイリー というのだそうです。
この主人公も、また、ジョージ・ベイリーになりたかったのかもしれない、という、オースター節全開の切なーい文章で紹介されていました。

多分、(ワタシが知らないだけで)他の映画や物語の中でも、たくさん使われているんじゃないかなあ。

■おまけ
パブリックドメインになっているので、全編見られるようです(字幕ナシ)。
コチラ>http://www.youtube.com/watch?v=wl0BWUsAYyY

■おまけ2
クラレンスが、でへへー『トム・ソーヤの冒険』の本を読んでいて、「トウェインの新刊だ」とかいう台詞があります。コレです。

トム・ソーヤの冒険!(と、クラレンスからのメッセージ)

トウェイン先生ですよ、トウェイン先生!


左のメッセージはクラレンスからジョージに宛てたもので、こう書かれています。

“Remember, No man is a failure who has friends!”
『友達がいる人間は、敗残者ではないことを覚えていてほしい』

Name:
Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

  • 「ベルリン天使の歌」は劇場で観ました。時々出てくるピーターフォークが見事なバイプレイヤーでした。(主観)「アンジェラ」は彼の作品の割にはあまり宣伝がなく、前作「ジャンヌダルク」以来5年振りの監督作品でしたね。少し地味で、「レオン」以前の彼の作風が出ていて、個人的には彼らしい作品だったと思います。

    X’masにこの1本、明るくハッピーになら「ラブアクチュアリー」もいいですね。いかにもイギリス映画ってところが、至る所にちりばめられていて好きです。

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