HERE AND NOW 〜『旅ノートコレクションvol.2』と迷子になったノートブック

Posted on 09 2月 2015 by

2015年1月10日から25日まで、東京 中野の『旅とひと』をコンセプトにした文具屋さん、旅屋さん『旅ノートコレクションvol.2』が開かれまして。
ワタシも旅ノートを一冊、出展させて頂きました。
1月18日に、この展示を見に行ったのです、が。

あの、ご存知の方はご存知なのですが、ワタシはこの Notebookers.jp 内のみならず、ノートブック関係界隈で、1と言って2と下らないほどの、もう本当に自慢にしていいくらい、自慢にならないほど、迷子体質でして。
それでも、今回の旅は(さほど)(ほんとうにさほど)迷子にはならなかったんですが、迷子になったのは、ワタシじゃなくてノートブックの方でした。
『旅ノートコレクションvol.2』のレポートと、えー、ノートブックが迷子になって戻ってくるまでの顛末を書こうと思います。

1月18日、朝から新幹線に乗りまして、一路東京へ。
車内アナウンスで『左手に富士山が見えますー』と聞こえてきて、「わー、富士山だー!東に向かってるー!!」と、この時点では風景を楽しむ程度のよゆーがありました。

えー、電車を乗り間違えたり、駅を間違えたりしながら中野へ。
朝ごはんを食べていなかったので、とちゅうフレッシュネスバーガーさんで、ちょこっとだけ食べて。
(ワタシには珍しく)迷わずに旅屋さんへ行くことができました。

そんで。
『旅ノートコレクションvol.2』
12冊の旅のノートブックがあり。
拝見しました。

ノートブックの大きさも、ページ数も、写真がメインだったり、イラストがメインだったり、と、本当に十人十色で。
旅、普段、自分がいないところへ行き、そこで見たもの、行ってきたところ、食べたもの、出会ったひと、通りすがりのひとたち、の捉え方 残し方 って、こんなに多様なんだと思いました。

その中で、旅屋さん滞在時、ほとんどその一冊をガン読みしていたのが、このNotebookers.jpのライターさんのひとり、もっつ(@cainemotz)さんの香港ノートブックでして。
それはモレスキンラージに、写真あり、文章あり、と、ぎっちりみっちり書かれたもので、表紙には、もっつさんがお好きなマスキングテープがコラージュのようにあしらわれていました。

表紙に『香港旅生ログ』『香港再発見旅』とあるように、懐かしさあり、オドロキあり、再発見あり、トラブルあり、と、リアルタイムの臨場感がすごく伝わって、ちょっと笑ったり、考えさせられたり、と、読みながら、あー、やっぱり、ひと様のノートブックを読ませてもらうのっていいなーと、ずっと思っていました。

もっつさんのその香港ノートブックで。
何度か『大陸の人』という言葉がありました。
ワタシは、これ(お恥ずかしい話ですが)ヨーロッパ、コンチネンタルのひとのことだと思っていまして。
香港が返還されて、イギリス人以外もたくさん来るようになったのかなー、程度に考えていたんですが、読み進めると、(お店などで)働いているひとが、英語じゃなくて北京語がわかるひとの方が多くなって云々〜〜、と書かれていて、あ、そうかー! 大陸って『中国本土』なんだー!と。
香港旅ノートブックを読んでいて、なんでコンチネンタルを思いつくんだ、ワタシは何を考えているんだと、目が覚めるようでした。
そして、現地に住んでたいことがあるひとならではの『大陸の人』という言葉。
この言葉がナチュラルに出てくる、もっつさんと香港との距離感、近さを改めて感じました。

このように、ノートブックを書いているひとには当たり前のことでも、自分にとっては全然知らないこと、考えたこともなかったことに気づくことができるのが、ひとのノートブックを見る楽しみのひとつであり。

香港ノートブック、旅の日記はモレスキンの途中で終わっているので、残りのページを見ながら思ったのですが。
この香港日記以外の、他11冊の旅ノートブックも、書かれていない白紙のページは、いつか埋まるんだろうなあ、ノートブックの持ち主は、旅を終えて、この白紙のページをどんな思いで見たのかなあ、と。

読み終わったあたりで、ポエトリーカフェ主催の Pippo @pippoem2 さんと合流しまして。
旅ノートブック、見て頂きました。
同じく、Notebookers.JPのライターさんのひとり、げんさん ‏@gen46 の写真のキャプションが独特で面白い、とか。

こちらのお二人のインドノートブックとか。

(と、せらの地味旅ノートブックも見て頂きました。)

せら旅ノートブックは、旅のリアルタイム、乗り物に乗っている間、電車の待ち時間などで、走り書きしたものでして。
例えば、電車が来たら、文章を書いている途中でもノートブックを閉じてバッグに入れます。
続きを書く時、万年筆のインクの色が違う、とか、フツーにあり。
展示会出展ノートブックだとゆーのに、あまり作り込んでいなくて、えー、すごく地味です。

この後、旅屋さんのスタッフさんと少しお話をして、旅の話から詩の話になり、海外旅行はやっぱりブンガク巡礼、ブンガク散歩になる、とか、ポエトリーカフェの話とか、中原中也の話とか、ぷちポエカフェ状態で、本当に素晴らしい時間でして、せら得、超せら得、でした。

超せら得のまま、Pippoさんに中野ブロードウェイに連れて行って頂き、お茶をして、またぷちポエカフェのようなお話を聞かせて頂きまして。
その後、教えて頂いた古書うつつさんで本を買い、ご主人と話をし。
この、古書うつつさん、品揃え、ほんっとーに素晴らしいラインナップで。
ワタシの好きなケルトの本が、幻想文学が、そして海外ミステリがたくさんあり。
旅先で出会う本は貴重なので。当然のように買いました。コレです。

騎士と妖精

ブルターニュケルト本ですよー。


この後、ホテルへ向かったのですが。せら得ー!と浮かれていたその反動のように、この辺りから、おかしな状態になっていきます。
まず、駅から徒歩5分というふれこみのホテルが見つからない。
地図を見ると、目印になる建物があるので、方向は合っているのですが、距離が違う? 歩いても歩いても、ホテルが見えず、どんどん人通りが少なくなり、淋しくなり。

ワタシ、旅の間の口癖、というか、キャッチフレーズと化している言葉があるのですが。
『ダイジョウブか ワタシ』
コレをとにかく、呪文のように繰り返して、ようやくホテルに到着しまして。
やー、もうこの日の宿はすごかったです。

部屋に行ったら。

ホテル#1

寒風吹きすさぶ廊下でした。

鍵を開けようとしたら。

カードキー差し込み口

ホラーというよりオカルト?なんだ、何が始まるんだ。


ベッドは。
ホテル部屋間取り

ドア真正面がベッドでした。


ホテルハイ(ランナーズハイ、みたいな)になってしまいまして。
「よし!これはもうノートブックに書くしかない!書く!書くよ!」
と、ナニか吹っ切れたようにノートブックを取り出そうとしたトコロ。

ノートブックがなく。

最近は、荷物を減らしつつあるので、バッグも小さく、見返しても、やっぱりなくて。
ココロあたりと言えば、フレッシュネスバーガー? 旅屋さん? と、レシートを頼りに電話してみたのですが「見当たらない」とのこと。

ワタシは以前にも一度、ノートブックを失くしていまして。
メインのモレスキンラージではなく、覚え書きをこしょこしょ書いていたポケットサイズのノートブックだったのですが。
この時は、ずしーん と地味に重力が肩にかかってくるような喪失感でした。
今回は、何でも書いているメインのノートブックでして。
横浜トリエンナーレのことや、奈良原一高氏の写真展のことも書いていて、トリエンナーレでもらったステッカーも貼っていたので、それが惜しいなあと思ったり。
予備のノートブックを持っていなかったこともあり、ものすごく心細かったです。
両手にいつも持っている何か、歩く際の杖のような、なくてはならないものを失くした、というそんなカンジでした。
その反面、どこか清々しい、失うべくして、失ったんだろう、と感じる面もあり。
ノートブックを失くすことなんて、滅多にないのに、なんで今、この感情を記録する媒体がないんだろう、と、ウロボロスみたいなことを考えたり。

翌日、帰るまでの時間、香港ノートブックの持ち主、もっつさんにお会いして、ぷちNotebookers Meetingを。
文具のお話もしましたが、ほとんどが映画の話でして。香港映画や、エドガー ライト、英国の香港映画とか、フランスのカンフー映画、ジェヴォーダンの獣、とか、ポルノカンフーとか、トニーレオン鼻ティッシュ映画とか、現在公開中の『ホビット』とか『ホビット』とか『ホビット』とか(た、楽しかった…!)。

関西に帰ってから。次のノートブックは、モレスキンのヴォヤジュールがあるので、コレを使おうと思っていたんですが。なんとなく、新しく使う気になれず。
『百年の孤独』の記録は、その前のノートブックだったので、そのノートブックでなくて良かった、と慰めにもならないことを考えたり。
洋書多読ノートブックとして使っている、モレスキンのピーナツポケットもあるのですが、なぜか書く気にならず。
ノートブックは使いたくないのに、書きたいこと、書いてすっきりしたいことがアタマやらココロから、ぼろぼろとこぼれていて、あー、こういう時、ノートブックがあればいいのになー、と何度も思いました。

そうしたら。
3日後、1月22日に旅屋さんからメールを頂きまして。
『フレッシュネスバーガーさんから、忘れ物の白いノートブックに『旅ノートコレクションvol.2』の申込書が挟んであったので、問い合わせがありました』とのことでした。

(ワタシがフレッシュネスバーガーさんに問い合わせた時点では、まだ見つかっていなかったとのことで)

表紙のステッカーなど、特徴が合致したので、ワタシのノートブックだとわかりました。
会期後、旅ノートブックと一緒に送って頂けるとのことで、会期中は旅屋さんで預かって頂くことに。
あー、あのノートブック、ワタシよりずっと長く旅屋さんにいられるんだと、羨ましかったです。

今日、2月7日、手元に戻ってきました。

戻って来るまでの3週間近く、えー、珍しく文章らしい文章を、ぜんっぜん書いていなくて(Notebookers.jpには投稿しましたが、あれは書くというより、入力、なので、また違う気がする)、すごく好きな作家さんの本も読んだのですが、一行も、感想、抜き書きをしていなくて、コレはワタシにはひじょーに珍しいことでして。
ワタシはツイッターもしていますが、この時期は、ツイートしては削除し、何か入力しては、結局ポストせず、というカンジでした。なんだろう、この状態、Notebookers的抜け殻?

今回、『旅ノートコレクションvol.2』に出展した旅ノートブックのテーマですが、”HERE AND NOW” といいまして。
迷子になれば「迷子! ワタシ、ぴーんち!」と走り書きする旅のリアルタイムの記録、と、作家ポールオースターとJ・M・クッツェーの書簡集『ヒアアンドナウ』、この交流を思い起こさせるようなオフ会に出られたことに引っ掛けての命名なのですが。

今回の旅は『今、ココに在る』ことのノートブックを作り、また、まったく逆の『今、ココにない』ノートブックを作った旅だったなあ、と。

本当にもりだくさんの旅で、お約束通りぷち迷子にもなり、旅ノートコレクションvol.2も堪能し、旅屋さんで買い物もして、うつつ書房さんでケルト本も買い、Pippoさんやもっつさんともお会いでき、ノートブックを迷子にして、ココに在るノートブックとココにないノートブックを作り。

改めまして。
『旅ノートコレクションvol.2』主催 chai(@chaimemo)さん、
旅屋(@tabiya_cafe)さん
Pippo(@pippoem2)さん
もっつ(@cainemotz)さん
そして、フレッシュネスバーガー中野北口店様
本当にありがとうございました♪






頂き物

頂いたもの。ありがとうございます♪

■おまけ

本当にリアルタイムはどうあれ。

ノートブックに書けず、ツイートもできなかったつぶやき。

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Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

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