『夜は来て愛を語り』見ました。満を持して。

Posted on 01 4月 2015 by

イプリルフールネタがネット上では舞い踊っていますが。
ソレとは関係なく、マイペースに。
先日見てきた映画のレビューです。
『夜は来て愛を語り』です。
2001年 英仏合同で制作。
監督 アニエスカ ホランド
主演
デヴィッド シューリス
ジュード ロウ
マリオン コティヤールの三人主演です。

歌姫イザベル♪

カワイイカワイイマリオンコティヤール@歌姫イザベル♪

舞台は1920年代のパリ。
えー、肝っ玉おっ母さんガートルードスタインがサロンを開いていて、コクトー、コールポーター、フィッツジェラルド夫妻、ダリ、などなど、そうそうたる文化人たちの集まりがあった頃。
そのサロンに初参加した新進の作家、シューリス演じるキンスキー、パリのオペラ座でプリマドンナを目指す歌姫イザベル@マリオンコティヤール、そして、売り出し始めた野心家の作家、アルフィ@ジュードロウが出会い、物語が始まります。

ちょっとキテる@キンスキー

こういう静かな狂気のある作家なのです@キンスキー

核になるのが、アルフィが偶然手に入れたヘミングウェイのノートブックです。
この物語が始まる前年に、ヘミングウェイが亡くなっていて、その最後の作品が書かれたノートブック、という設定です。
その書かれたものを自分が書いたものとして発表しようとするアルフィ、それに気付き、ヘミングウェイが書いたものだと正統に発表しようとするキンスキー、そして、そのカギを握るイザベル、ということなんですが。
これが、ワタシ好みなのは、決してキンスキーがイイモノ、アルフィが悪者、ということでは【ない】ということ。
キンスキーは、自分こそがヘミングウェイになりたかった、作中に書かれた『孤独』への向き合い方、淋しいと思うことを受け入れ、ただまっすぐに向き合い、自分の中の孤独を見つめること、そういうことを『自分こそが書きたかった』と思い、それを隠そうともしないアルフィに嫉妬し。
そして、アルフィは、自分の野心のままに、ヘミングウェイの受けるべき名声、名誉を自分のものにしようとするんですが、その本心は、体の弱いお姉さんヴェイス@レイチェルワイズの治療のために、えー、お金が必要なんだ、とかありまして。
ワタシは、もう、この『キャラクターの多面性』がダイスキでして。
ひとに見せる面、行動の方向性、そして、それを裏切るような内面、というのがすごく好きです。
この物語は、その多面性を これでもか、と描いていて、「こうなるんじゃないか」と予想もできないくらい、ついていけない裏切られまくりの展開でして。
そして。もうひとり。
そのふたりを、少し遠くからイザベルは何も言わずに、ただ見つめていて。

アルフィ

英国の誇るオトコマエ@Jロウ@アルフィ

えー、キンスキーがヘミングウェイのノートブックの作品の一節を朗読するシーンがあります。
(その作品、実は、もうヘミングウェイの作品としては超有名な一作、なのですが)
youtubeにあがってないかなーと探したんですが、なかったので。文章で引用します。

「こんなふうに逃げ出して申し訳ない」と手紙ははじまっていた。「でも話すべきことはもうほとんど全部話したと思う。これ以上とどまっても、事態が厄介になるだけだ。君は僕がやっていることをやめさせようと説得に努めるだろうし(君は僕の友だちだから、それが友としての僕に対する義務だと考えるだろう)、僕は君と言い争いたくない。君が僕のことをどう思ったかはともかく、話を聞いてくれたことには感謝する。この物語は語られる必要があったのだし、聞き手として君よりふさわしい人間はいない。もしその時が来たら、君ならこれを他人に語るすべがわかるだろう。いったいこれがどういう話なのか、君なら伝えられるはずだ」

何というか、物語が入れ子構造になっていて、ヘミングウェイの書いた物語が、キンスキー、アルフィ、イザベルに重なる、というか、物語をなぞる、ようなそういう展開になりまして。
最後はーー

やはり、1920年代ですので、手書きのシーンがたくさんあります。
無造作にノートブックを広げ、万年筆、エンピツ、を取り出し、がしがし、と書き込む。
ワタシは、万年筆などは全く詳しくないのですが、割と手元がアップになるシーンが多いので、詳しい方はすごくわかるんじゃないかな、と。
そして、パパヘミングウェイの残したノートブック、と言えばモレスキンなのですが。
今回のノートブックは、それっぽいようには見えたのですが、ちょっと違うかも知れない…?
(ベルトはあるけど、角が角張ってるような)

シューリスの静かな狂気、剥き出しの野心を隠そうともしないのに、おねーさん思いの優しさを見せるアルフィ、そしてそのふたりの苦しみを抱き締めるような位置にいる歌姫イザベル。
もうずっと見たいと思っていて、ようやく見ることができました(嬉しい)。

ラスト、イザベルがふたりのために歌う “She Moved Through the Fair” が素晴らしいです。

公式サイト:『夜は来て愛を語り






歌姫イザベル♪

どこまで元ネタわかります?コレは『ミッドナイトインパリ』のアドリアナ(カワイイ)

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Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

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