Smell it used to be a creature なかしぃ

Posted on 15 9月 2015 by

新しい革の雑貨は革の匂いがする。 鞄、財布、ブックカバー、もちろんノートブックのカバーも。

この匂いがなじんできて消えたときにやっと使いこなしてると感じる。そう、この匂いは獣の臭いともなめしの薬品の臭いとも言い難い、革そのものの匂いである。それはかつて生き物だった残り香なのかもしれない。

太古の昔、人類は狩猟を通して食料を得ていた。狩った獲物は隅々まで利用され、骨や皮など食べられない部位も生活の役に立つように加工されてきた。皮はそのままにしておくと固くなったり腐敗してしまう。そこで人類は自らの唾液で皮をなめして革にしていった。古代には植物に含まれるタンニンでなめすようになり、複雑ななめしの工程を経て革製品となっていった。

かつて生きていたものが素材となり、そして製品となり暮らしを彩るようになって人々を魅了している。ではなぜ革製品に魅かれるのだろう。

革製品を使用するということは命のお裾分けをいただいているのだと最近感じるようになった。そのきっかけはトラベラーズノートのブルーエディションを買うかどうか迷ったときだった。一目惚れしたはいいけれど使いこなせるだろうか・・・一生モノとして長く愛せるだろうか。使っていくうちに味が出て傷も一緒に歩んできた歴史として受容できるだろうか。しばらく逡巡した後で、かつて生き物であったモノを粗末に扱ったりすぐに飽きて使わなくなるという事は死んでいった生き物に対する冒涜ではないのかと思うようになった。例えばそれは食べ物を残すことに通じるのかもしれない。

そして迷った末に思い切って購入し、使い続けるうちに革の匂いも消えていき、傷だらけになったらクリームでお手入れをしているうちに愛着が湧いてきた。そうして青TNは旅の相棒となっていった。生きていたら青空の下でもっと草を食む事ができただろうに、縁があって革となって自分のところにやってきてくれたので、これからも一生モノとして使い込んでいくことがかつて生き物であったことに対する供養になるのかもしれない。

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Profile: ボールペン画家にしてぺら部の創設者、しかしてその実態は? Notebookersのwriterの中で一番内容が薄っぺらいですが何か?

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