Happy Holiday! Notebookers! アドベント4週目☆☆多様性ばんざい☆サンタアシモフからの贈り物☆

Posted on 20 12月 2015 by

ニメデ、という木星の衛星があります。wikiから引用。

ガニメデ (Jupiter III Ganymede) は、木星の第3衛星。太陽系に存在する衛星の中では最も大きく、惑星である水星よりも大きい。比較的明るい衛星で、双眼鏡でも観察できる。

そして。

ガニメデは、1610年にガリレオ・ガリレイによって発見されており、そのためイオ、エウロパ、カリストとあわせてガリレオ衛星と呼ばれている。

ガリレオ先生の発見です。
そして、衛星をたくさん持ち、上記にもあるように、イオ、エウロパ、カリスト、ガニメデ、とあるこの名前なんですが。
星占いでは、木星は、ゼウス、ジュピターが司る星だそうで、そのためか、おそば近くにいる、この衛星の名前が、えー、歴代のゼウスのカノジョたちの名前だったりします。

イオ:ゼウスのカノジョのひとり。ゼウスの妻ヘラにいじめられて、エジプトまで逃げる。そして女神イシスとなる。
エウロパ:ゼウスのカノジョのひとり。ゼウスが牡牛に化けてエウロパに近づき、エウロパがその背中に乗るとギリシアその周辺を走りまくって、クレタ島へ連れていった。その走りまくったエリアをエウロパ(ヨーロッパ)と呼ぶようになったそうで。クレタ島、これで牛と縁があるのかなあ。この時、ゼウスが化けた白い牛が天にのぼり、牡牛座になったそうです。そしてエウロパは、ミノタウロスの(義理の)おばあさん。
カリスト:ゼウスのカノジョのひとり。やっぱりヘラ(アルテミス?)の怒りを買って、熊に変えられてしまう。そんでゼウスの子供を産み、すったもんだのあげく(雑な説明)、大熊、小熊として天にあげられ、おおぐま座、こぐま座となる。
ガニメデ:ゼウスに仕えていた酒杯係。水瓶座の水瓶を持っていたとも言われているそうで。トロイ王家出身の美少年。
(まったく本編とは関係ないのですが、わたしがギリシャ神話好きなので書いてみました)

■ □ ■ □ ■ □ ■ □


アドベント4週目、ついにクリスマスの週です。

えー。
クリスマス、日本では「クリスチャンじゃないのに」とか「本来の意味から外れて、商業ベースに乗せられて云々」とか言われています。その数日後に、除夜の鐘を聞いて、その後、神社にお参り… と、冷笑的な意見があったりなかったりします。
あったりなかったりするワケですが。
(一応)人間、(一応)地球人、(一応)人類、the human species (こっそり、なにか、そのカテゴリから外れてるというか、ちょっと違うかも? なひともいたりするんじゃないかなあ!とかあるんですが)なのです。
その、人間以外、人類以外の御仁が、クリスマスを楽しみにして待つ、そういう物語があります。
4週目はその物語をご紹介〜。

クリスマスの幻想物語を集めた『クリスマス・ファンタジー』(ちくま文庫 風間賢二編)から。
『ガニメデのクリスマス』(アイザック アシモフ作 浅倉久志訳)1941年

話としては…
未来世界、人類は宇宙に進出していて、木星の惑星のひとつ、ガニメデにも移住しています。
ガニメデには、貴重な資源がたくさん眠っていて、これを採掘しているワケです。
その採掘事業を一手に引き受けている『ガニメデ物産コーポレーション』(周辺)が舞台です。
その社員のひとり、オラフが、地球のクリスマスのアレコレをガニメデの原住民オストリ人に話します。
そして。
オストリ人は「サンタクロースが来ないと仕事をしない」とストライキに入ります。
(迫る納期、きついノルマ、厳しい品質チェック、と、どこかの島国の企業の悩みのようですが)ガニメデ物産コーポレーションは、オストリ人が仕事をしないと一手販売権を失うことになり、言い出しっぺのオラフにサンタになれ、とペラム隊長が命じます。
オラフは、8頭のトナカイと橇、サンタクロースの衣装を調達することになるのですが…

で、オラフはガニメデの過酷な環境下で、トナカイっぽい動物、トゲウマを8頭、捕まえようとします(それも生け捕りで)。

トゲウマには長くてよく動く鼻と、ぱたぱた前後に揺れる大きな耳と、感情ゆたかなふたつの紫の目がある。雄の背中には、深紅色の柔軟なトゲが三本、背中にそって生えていて、これがおなじ種の雌を喜ばせるらしい。これに鱗の生えた強力な尾と、侮りがたい知能を組み合わせた生き物がトゲウマということになる。こいつをつかまえるのは、容易なことではない。

(アシモフ先生の淡々としたトゲウマ説明文と、そして最後の一文でさらっと断じているのが、どうにも本当に)(楽しい)

オラフの地球育ちの筋肉(ガニメデは地球の三分の一の重力だそうです)と、ガニメデの野性の筋肉の肉弾戦があり、まずはトナカイにする動物の調達ができます。

同じ頃、ペラム隊長は、橇の調達をしています。
人類がガニメデに移住しはじめた頃、使われていた橇に反重力装置をつけ、圧縮空気のジェットで操縦すればいい、と、とにかく、ざっくり造形が決まります。
もちろん、トゲウマは飛べません。
なので、橇の前部にトゲウマを乗せる台を作り、8頭のトゲウマトナカイ+橇を、もう、乗ってるオラフどうなってもいいから、なんとかしてサンタクロースっぽいカタチを作れ、と、このあたりのペラム隊長のヤケ気味なのが、本当に楽しいです。

そして当日。
オラフはサンタの仮装をして、スタンバイします。

オラフが着ているのは、伝統的なサンタクロースの衣装だった。その衣装が赤いのは、宇宙服の上に赤いティッシュペーパーを縫いつけてあるからだ。”白テンの毛皮”が脱脂綿のように白いのも道理、本物の脱脂綿だった。白いあごひげは、リンネルの端切れの上に脱脂綿をくっつけたもので、耳の下にだらんとぶらさがっていた。そのあごひげと、その上にある酸素吸入器を見れば、百戦錬磨のつわものも思わず目をそむけたくなる。
 オラフは鏡に自分の顔を映す機会を与えられなかった。しかし、自分の目にはいる部分と、本能が告げるものを合わせれば、やぶれかぶれの気分になるのもむりはない。

なんていうか。や、一文字しか出て来ない、というか。

や、このあたり、読んでいて、こう、ある意味、究極の手作りクリスマス、のようだなと思った覚えが。
たとえば、『大きな森の小さな家』など、西部開拓時代のクリスマス、父さんがツリーにするモミを切ってくる、オーナメントは、母さんとメアリとローラの手作り、と、いうレベルでは【ない】
トナカイっぽい動物、それも野性の、を捕まえることから始める、そして雑な衣装をつけ、やっぱり酸素吸入器は必要なのであごひげの上から装着しなければならないサンタクロースがいる、手作りのクリスマス。
日本人、クリスチャンじゃないひとがクリスマス祝ってるけど、同じ空気を吸えるんだよ! 酸素吸入器いらないんだよ! せめてその土台部分、基本部分は同じだよ! と。

オストリ人の説明を。

オストリ人の”オストリ”は駝鳥(オストリッチ)の略で、ガニメデ原住民の体型からきた名称だった。もっとも、彼らの首はダチョウより短いし、顔は大きいし、羽毛はまるでいまにもごっそり抜け落ちてしまいそうに見える。そこに一対の骨ばった腕と三本のずんぐりした指をつけたしてほしい。彼らは曲がりなりにも英語がしゃべれる。しかし、その英語たるや、むしろしゃべってほしくなかったという気になるしろものだ。

サンタクロースを信じている、来てほしいというくらいなので、なんというか、ピュア、というか、うざい、というか、でも、アシモフ先生、ものすごく愛を込めて描かれています。

「えんっとっつ、われわれつくる。サンタコースくる」
「ほら! くーした! サンタコース、プレゼットいれる!」
「キスメス毎年くる。キスメスすてき、みーな、なかよし。オストリ人、キスメスすき」

こんなカンジのがうぞうぞしているワケです(楽しい)。

で、オストリ人は、彼らの集会所、小さい建物(煙突っぽく、天井に穴を開けている。これもものすごく、なんというか、その)の中でサンタコース(と、彼らの英語ではそう表記されています)を待っているのですが。

えー、空を飛ばされる怖さを紛らわせるためにトゲウマはお酒を飲まされます。
(このへん、もう無茶苦茶なのですが、えー、設定自体が無茶なので、そうかー、と納得しながら読み進めていま
す)そして橇は宙へ飛び上がります。

この飛行シーンもとても楽しい。
お酒を飲まされたのに、あっとゆー間に醒めてしまって、怖さに暴れまくるトゲウマたち、コントロールできない橇。
オラフはなんとか制御しようとしますが、オラフも宙にいるという同じ条件のため、なにかトクベツなことができるはずもなく、そして無事な着陸を望めるワケもなく。
トゲウマたちは、そのムダに高い知能のために、早々にあきらめの境地に達し、じたばたするのをやめて、従容として死を覚悟します(このへんも大マジメで、どたばたしていてとても楽しい)。

オラフとトゲウマたちの(主に着陸できるかどうか、な)運命は、
そしてオストリ人は(オラフの雑な)サンタクロースに満足するのか、
ガニメデの公転が一週間てホントですか、とか、
「オストリ人、キスメスすき」って言ってるよ!とか!

この作品を最初に読んだ時、もちろんオモシロく、大笑いしたのですが、それと同じくらい、このアシモフ先生という方の視線、視野の広さというのか、冒頭に書いたような「クリスチャンでもないのにクリスマスを」とか「クリスマスの本来の意味も知らずに云々」とか、そういう狭さ、窮屈さをぶっとばす、指先で丸めて、ふっ と吹き飛ばすような、そういう大きさを感じました。
クリスチャンじゃない、他の宗教の信者だとか、人種だとか、国籍だとか、そんな小さい範囲をかるーく飛び越えた『異星人のクリスマス』
わたしは、こういうカンジに、わたしの感覚を叩き割ってくれるような、常態にヒビを入れてくれるような、そういう体験ができる物語が好きなんだと思う。たぶん。

■ □ ■ □ ■ □ ■ □

衛星 ガニメデ

ガニメデ

■おまけ
もう一作、アシモフ先生編のアンソロジー『クリスマス12のミステリー』(新潮文庫)から。
年の瀬の喧騒に閉口されている方、この時期につきものの甘ったるい空気から逃げたい方に、クリスマスツリーの横に寝っ転がって読んで欲しい一冊だそうです。

『クリスマスの万引きはお早目に』 ロバート サマロット
(タイトルですがアレですが)
わたしの大好きなジャンル『カワイイばーちゃんが繰り広げるコンゲーム』です。
引退した舞台女優、ちょっとお茶目なホイッスラー夫人が主人公。
(ほぼ)冤罪で刑務所に入れられた気の毒なお母さんを救うために、LA最大のデパートの保安係に頭脳戦を仕掛けます。
1965年作ですので、ネタが古いと言えば古いのですが、それでもクリスマスの雰囲気が良いです♪

■おまけ2

ドウゾ良いクリスマスを♪

Name:
Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

Photos from our Flickr stream

See all photos

2017年6月
« 5月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

アーカイブ