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ダーマトグラフのアンダーライン Kyrie

Posted on 02 2月 2016 by

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ダーマトグラフ、という筆記用具がある。
色鉛筆のようだが、芯はもっと柔らかく太い。
鉛筆なら芯は木に包まれているが、ダーマトグラフは細い紙を巻きつけている。
芯がちびると、その紙をぐるりとはぎとる。
はぎとり始めを作るのに、タコ糸のような白い糸が軸から生えている。

私が黄色のダーマトグラフでアンダーラインを引いていたのは、高校と大学生のときだった。

高校生になりたてのとき、新任でやってきた社会科の先生がそうしていたので真似をしてみた。
学校の売店ではもちろん取り扱いがなくて、街の文房具店に買いに行った。
すぐにはなくならないけれど、簡単に手に入らなかったので2,3本、まとめ買いをしていた。

まだ大学院生だった先生は、15~16歳の女子高生の格好の餌食になった。
私も意地悪もしたし、意味もなく質問にいったり、先生が好きだからと真似してユングやフロイトの本を読んだ。
哲学の本も読んだし、教会にも通った。
でも、どれもちんぷんかんぷんだった。

それでも私の教科書、ノート、プリントには黄色の線が引かれ続けた。
哲学の本にも心理学の本にも、黄色い線が引かれた。

私が高校を卒業すると、先生はかねてから関心があった「海外で勉強を教える」ために私たちの学校を辞めた。
私は毎週1枚、はがきを出した。
ネットもメールもない頃。
とにかく、彼を励ましたくてはがきを送り続けた。
たまに向こうからも返事があった。
いや、結構頻繁に返事が来ていたかも。
なかなか厳しい環境で、精神的に参っていたらしい。
はがきはまとめてどこかに配達され、担当の人から手渡しされていたそうだ。
「またあのコからはがきが来てるよ」
と覚えられるほど、私ははがきを出したそうだ。

彼の帰国後、私は高校のときの友達と彼の結婚式に参加した。
ちょっぴり優柔不断なところのある彼にぴったりの、しゃきしゃきして美しい女性だった。

そして、私のピアスの物語に続いていくのだけれど。
黄色い色鉛筆の物語を読んだら、こんなことを思い出した。

 

2月。
チョコレートと共に甘い物語が広がる季節。
あなたの甘い物語を私は読みたい。

 

Name:
Profile: 広島生まれ広島育ち リュックを背負って、カメラとノートブックを持ってどこかに行くのが好き 2006年にスペイン巡礼に行きました Twitter → @sala_ky blog → Kyri*ate

  • neokix

    すてきで切ないお話,ありがとうございました.

    • Kyrie

      この記事を書くきっかけをつくってくださって、ありがとうございます。
      黄色のチューリップの絵を描いて、黄色の色鉛筆の出番が増えますように!(使い道を考えてみたけれど、チューリップしか思いつかなかった)

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