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受け継がれるもの 森野はにみお

Posted on 25 2月 2016 by

quatro

僕が文房具が好きな理由は、間違いなく父の影響だ。

中学時代。

とある日、学校の美術の授業で使ったカラスグチという機器が面白くて家に帰ってから父に話したのがきっかけだった。父は、物置代わりにしている小さな部屋に僕を呼び、ダンボール製の衣装ケースのひとつを開けた。

「確か家にもあったはずだが…」

数分ごそごそとやった後ペンケースの様なものを取り出したら中から出てきたのが数本のカラスグチ。中にはコンパスになっているものまである。少々さびていて各種ネジの動きが悪いがまぁ使えそう。

「昔はみんなこれで製図をしてたもんだが、最近はペンが良くなったからか見なくなったな」

どうも父が若い頃に使っていたものらしい。

それよりも何だろう、この箱。

衣装ケースにはたくさんの文房具が詰まっている(主に製図関連だが)。箱を覗き込む僕に父が言ったのは、ふざけるのでなければ使っていいからな、と。

まず目に入ったのはハイユニの12本セット、これはFだったのでHBとBしか見たことがなった私には珍しかった。おまけで消しゴムまでついている。が、すでに勉学はシャープペンシルだったのでパス。
次に一辺が30cmもある三角定規のセット。これはメモリが全くないモデルのうえに大きすぎてパス。

すぐに宝物になったのはステッドラーの芯ホルダーとuni芯。なんと電動の芯削り器まであった。(丸研ぎと平研ぎが出来る!)

あとは、フールス紙で透かしの入った26穴ルーズリーフ。これは勉強で使うのはもったいなくて、気に入ったあれこれを書き込むのに使っていた。

そうやって少しずつ中学生らしからぬ文房具を触るたび、文具好きになって行く僕なのだった。

 

しばらくして高校入学時。
父が入学祝を買ってくれると言う。何が欲しいかと聞かれたときに言ったのは万年筆だった。
「中学入学時に親戚のおじさんがくれたボールペンとシャープのセットが格好いいので、アレの万年筆が欲しい」
父はおうおうと簡単な感じで引き受けてくれた。

しばらくして、手元に来たのはまさしく希望してた万年筆。PILOTのQUATRO。

今考えるとメーカーもブランドも細かく説明していないのによく田舎で探してきてくれたと思う。しかし高校生には万年筆は使う機会がなさすぎた。一本目のインクがなくなる前にはペンたてに刺しっ放しになったままに。その後大学に行き、就職し、何回も引っ越したけれどずーっとペンたてに入れたまま。使わないけれど、それでも不思議と無くさず過ごして来た。

ここ数年で仕事にも万年筆を使い始めた。

父からもらった万年筆もようやっと日の目を見て、最近は家でのメモ類に使っている。やっと年齢が追いついてきたと思う。

 

しかし机の周りを見るとずいぶんと文房具が多い。もうそろそろ僕も文具専用の衣装ケースを用意する頃に来ているのかな。

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Profile: ひょうひょうとしていたいのに、ふらふらしてしてしまう放浪の人。 自分でも何がしたいのかいまいちわからない。 ただ写真を撮るのと昔話が好きです。

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