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リエントリーショック

Posted on 09 10月 2016 by

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写真はロンドンバスから撮ったものです

 

最近になっていくつかの生活上の変化があり,色々と考えることも,混乱することも多くて,ノートにも何も書かない日が続いていた.その間,いろいろな人に会って,東京にも(ローラーボールを買いに念願のカキモリさんにも!)行って,京都で彫金教室にも参加して(これについてはまた別記事を書きたい),ちょっとずつ回復して来たように思う.しかし,ノートの減りは進まない(と言うのは面白い表現ですね).

興味のある人がいるかわからないけれど,ちょっと詳細を話そう.

・2年間の契約が終わって,ルーマニアから大阪へ帰ってきた.2年ぶりの日本で,地に足が着いた感じが最初の2週間ぐらいはしなかった.大阪というのは人が多いところで,そして(今晩は涼しいけれども)日中蒸し暑い.ちょっと夏バテみたいになる.あんぱんが美味しい.

・実家に帰ってきて,家に誰かがいる生活が始まる.テレビが点いていたら,ついつい見てしまったりで,自らを見直したり,ノートに触れ合う時間が劇的に減った.ゲーム(古き良きPS3)もしたりしている.

・実家の部屋の壁がボロボロだったので,自ら漆喰を塗ることにした.それが思いの外,時間がかかった.出来上がりはまあまあです.加えて,今まで溜め込んできたガラクタやら紙やらが2年間の(海外)生活上全く必要のないものだということがわかったので,すべて捨てた.ものすごいモノたちを溜め込んでいた.今は,身軽になった.

そんなこんなで,帰国から1ヶ月が過ぎようとしている.正直に言えば,私はカルチャーショックの真っ只中なのだ.

さて,いわゆる「カルチャーショック」には実はいろいろ段階があるらしいのだが,帰国後の「リエントリーショック」というのがあると言われている.自国に帰国した人が,しばらく経って思う自国へのカルチャーショック,内実はいろいろあるが,批判的な嫌悪感のようなもの,を感じるようにもなってきた.代表的なものは,

・なんで,日本は,こんなに,選択肢が,多いのか!?

特別ルーマニアで物質的な不便をした,ということはないけれど(みなさんの想像以上に都会です),確かに選択は少なかった.選択が少ないことは,魂の消耗みたいなのが抑えられると思う.つまり,決断力みたいなものを,いろんなところで使わなくて済む.その代わり,その力を自らとの向き合いに回せる.

だけれども,帰ってきてから,A社とB社とC社からまず選び,DとEとFとGとHとIとJとKとLとMとNの中から,OとPとQとRの色の中から,Xを選ぶ,という感じで,もう選択が山ほどあって,それをどこで買うのか,セールはあるのか,どこが安いのか,ポイントは貯めるのか,使うのか,袋はいるのかいらないのか,もう選択の連続である.私の住んでいたところでは,AとB社の,CとDの中の,EとFの色ぐらいはあったかもしれないけれど,それではあまり魂はすり減らないのだ.なんなら,「○○1択でしょ」という場面も多かった.ああ,それは幸せなのだ,ある意味では.

むむ,ないものねだりかもしれない.

そこにさらに,私のミニマリストWannabe感と,元来の物欲が対抗し,拮抗し,対決する.安いからついつい,という思いと,いやいや,必要ないでしょ,という気持ちと,[もったいないなぁ]という日本的感性が,魂をズタズタボロボロにする.そこに選択の波が押し寄せる.そう,疲れているのだ.

そろそろテレビを消して,パソコンも消して,ノートとの向き合いが必要だ.前に移植の紹介をしたモレスキンラージも,そろそろ無くなろうというところなので,是非そのことも話したい.その前に,ちょっと皆さんにも,シェアしておきたかった.まあなんていうの,近況報告的な形で.

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Profile: 大阪在住.日本語を教えたり,ノート,ボールペンをつかってみたり,ミニマリストwannabeだったりのひとです.ノートブックは一度に一冊をモットーにしています.最近はエッセイに凝っています. Twitter: @neo_kix ブログ: ペーパークリップはどこへ消えた?

  • piecesmaker1

    私は時折、シングル固定ギアの自転車に乗ります。ギア選択やペダルの回転数などを気にしないですむのはとても解放的です。だけど、上り坂はきついです。
    「選択肢の数は自由度や満足度とは直結しない」いろいろなところで、取り出してみたいテーマだなと思いました。
    neokixさんが写し取る日本の景色も、楽しみにしています。

    • neokix

      コメントありがとうございます.

      固定ギアの自転車!楽しそうです.そういえば久しく自転車に乗っていません….

      選択疲れ,といえばいいかもしれません.キュレーションメディアも,そういうのを反映していそうですね… 本来は消費者一人ひとりがきちんと総合的に判断して,ということなんでしょうけど,人間一人でできることには限界もありますし,消費だけが人生じゃないじゃないかーという気持ちです.

      日本の風景も,撮れるといいですね!(他人事のように

  • lemonade_air

    「確かに選択は少なかった.選択が少ないことは,魂の消耗みたいなのが抑えられると思う.つまり,決断力みたいなものを,いろんなところで使わなくて済む.その代わり,その力を自らとの向き合いに回せる.」という一文がとても良かったです。壁にかけておきたい。

    • neokix

      コメントありがとうございます.ジーンズを買うのに,チョイスがありすぎるのも困りものです.私はジーンズがほしいだけなのに!とやきもき.

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