10月と11月の星座〜てんびん座といて座

Posted on 07 11月 2017 by

浜トリエンナーレに行ってきました。
10月29日でした。台風直撃の日です。はー。
それでちょっと考えたのですが。
もし、何か気が乗らないイベント(法事だとかそういうの)があれば、わたしを呼んで下さい。
すごく高い確率で台風になる(んじゃないかと)。
(半日から一日ずれるかも知れない)(ピンポイントは無理かもしれない)。

前振り終わり。
12星座紹介、先月10月のてんびん座と、今月11月、いて座の紹介です。
4月5月の牡羊座と牡牛座6月のふたご座7月のかに座8月の獅子座9月の乙女座があります。よろしくドウゾー)

◎てんびん座
10月の星座なのですが、実際に空に見えるのは、夏の南の空だそうです。
この星座の記事を書きはじめて、なんで誕生月の星座が、実際に見える時期とズレてるのかと思って調べたところ、生まれた時(時期)に太陽がその星座の近くにある、ということだそうです。へー。
てんびん座は、おとめ座の東に見えます。
おとめ座=アストレア説があり、手にてんびんを持っている、という見方もあるようです。

アストレアという女神がいました。最高神ゼウスと法の女神テミスの娘とされています(※1)。
てんびん座は、この女神が持っていると言われています。

古代ギリシャでは、平和で、食べるものに困ることがなく、穏やかに暮らせる時代があり、これを金の時代と言いました。
そうして、四季ができて、ひとたちは食べ物を作らなければならなくなります。銀の時代といいます。
ひとびとは、食べ物を作り、それを争うようになります。神々は、ひとに愛想を尽かして天上界へ帰っていきますが、アストレアは、ひとびとを信じて、地上に残ります。
次の時代は青銅の時代と言います。親兄弟で憎み合い、殺し合う、殺伐とした時代になりました。
アストレアは嘆き悲しんで、とうとう天に帰ってしまいます。

『天に還るアストレア』サルヴァトル・ローザ

『天に還るアストレア』サルヴァトル・ローザ

このアストレアが手にしているのが善悪をはかるてんびんだと言われているそうです。

あと、古代エジプトの星図にもてんびんが星座として残っています。
古代エジプトでは、死後の世界が信じられていたそうです。
死後の世界で、審判を受け、永遠の命を与えられる、その時にてんびんが使われていまして。

エジプト『デンデラー天図』中央よりやや右下に、てんびんが。


亡くなったひとは、まず、神々のいる座に連れていかれます。
右にオシリス(※2)、左にテーベの神官のアニ、周りに42柱の神々がいて、その中央で審判を受けます。
死者は、自分の心臓をアヌビス(※3)にさし出し、アヌビスはその心臓をてんびんの左の皿に乗せます。
右の皿には、真理の女神マアトをあらわす羽根を分銅の代わりに乗せます。

そんで死者は36の告白をするのだそうです。
ウソはつかなかった。
人を殺したことはなかった。
神々を信じなかったことはなかった…… などなど。
ウソをつくと、心臓の方が軽くなり、左の皿が上がっていくそうです。
神々はそのてんびんの様子を見て、審判を下す。
(悪のかぎりを尽くしていたら、左の皿がはねあがって、心臓を(その審判の場の後ろのほうで控えている)怪物が食べるんだそうです。なんだろう、身体の一部を損なうと救われない、という考え、この「身体を保つ」ことを尊重するって、なんかオモシロいなあと思います。)
かたや良い人生を送っていて、てんびんが動かなかった死者は、鷹の姿のホルス神(※4)の前に連れて行かれます。
そんでホルス神に供え物をして(※5)感謝し、永遠の命を受け、幸せに暮らせるのだそうです。

『死者の書』より。審判の場面。

『死者の書』より。審判の場面。


この話を読んだ時、罪と言うのは「計る」「量る」ものなのだなあと思いました。
量刑 という言葉もあります。
↑この言葉は、もちろん古代エジプトのこのエピソードからきたものではないでしょうが。
それでも、罪をいくつ、と数える、数値化する、という発想と、与える刑罰の程度を漢字で「量」と当てること、オモシロいです。

◎いて座(※6)
いて座も夏の南の空に見える星座です。
わたし、知らなかったんですが、南斗六星(※7)がこのいて座の中にあるそうです。へー。
射手、弓を射る者、アーチャーなんですが、どちらかというと半人半馬のイメージの方が強いかもしれません。
この矢が狙っているのが、さそり座(※8)の心臓部にある一等星アンタレスです。
いて座 星図

その半人半馬、ケンタウロス(※9)ですが。
ケンタウロスは個人の名前ではなく、種族の名前です。
下半身が馬、馬の首のあたりからが人になっている、そういう姿の種族です。
このいて座は、そのケンタウロス族のひとり、ケイロンが天にあげられた姿でして。

えー、このケイロンは、かに座しし座で紹介したヘラクレスの先生でもあります。
ケイロンは、時の神クロノスと妖精フィリラの息子で、クロノスがフィリラに会いに行く時、馬の姿になっていた(※10)ため、ケイロンは、上半身がひと、下半身が馬という姿で生まれた、という話があるとか(※11)。
ケンタウロス族は、野蛮でのんべーで好色で、と荒くれ者の多い一族なのですが、たまーに、イイヤツ、傑出した才能を持つ者がいて、ケイロンはそのひとり(※12)でした。
アポロンとアルテミス兄妹がそのケイロンの才能を愛でて、音楽、医学、予言、狩りなどを教えます。
長じてケイロンは、あまたの英雄たちに学問や武芸を教えます。
ヘラクレスはこのケイロンに天文学を学んだそうです。

ヘラクレス12の冒険のうちのひとつ、エリュマントスのいのししを生け捕りミッションの途中で。
ヘラクレスは、ケンタウロス族のひとり、ポロスに会います。
ポロスはイイヤツで、ヘラクレスを歓迎し、もてなしますが、酒を出しませんでした。
「お酒、ないの?」とヘラクレスが聞くと、
「やー、お酒出すと、他のケンタウロス族のヤツらが来るからさー」と答えました。
「ダイジョブ! なにかあっても、俺が守ってあげるよ!」とヘラクレスはうけあいます。
そんで、ポロスがお酒を出してきたところへ。
ケンタウロス族の有象無象がやってきました。
「よそ者に飲ませるなら、おれたちに飲ませろー!」と乱闘になります。
しかし、ヘラクレスは強かった。多勢ながらケンタウロス族は劣勢になり、ケイロンの住む洞窟へ逃げ込みます。
そして、ヘラクレスが放った矢がケイロンの膝に当たり……

「俺はなんてことをしてしまったんだケイロン先生ーー!」とヘラクレスに看取られてケイロンが亡くなるパターンと。
ケイロンは不死のため、誰かにその恩寵をゆずれば死ぬことができるので、不死を望む者をヘラクレスが見つけなければならない、と新しい使命を負った、というバージョンがあるようです。
(ダイジェストバージョンと、ロングバージョンなのかな(※13))

そして、ヘラクレスをもてなしたポロスですが。
ケイロンが当たった矢を手に取り「こんな矢が、あんなに大きなケンタウロス族のヤツらを殺したのか」とシミジミ見ていて、うっかり落としてしまい、その矢じりが足にあたり、死んでしまったそうです(※14)。

人格者で才人だったケイロンと、イイヤツだったポロス(※15)を、ギリシャの神々が愛でて、ケイロンはいて座として、ポロスはケンタウルス座として、天にあげたとされています。

夏の明るい藍色の夜空もいいのですが。
わたしは、冬の黒々とした青、空気が冷たくて凍りついたように見える夜空が好きです。
シリウスとか、わかりやすいオリオン座とか。空を見上げるのが楽しみな季節になりました。

えー、次回、さそり座の話、数日中にアップしようと思います。
注釈6で書いたのですが、実は、てんびん座の次は、さそり座だったのです。
本を読み返して、まとめて、さー、入力しようと思った時、え、ひょっとしててんびん座の次はいて座じゃない? いて座じゃなかったっけ? と気がつきました。
えー、こういうこともある、ということで、次回、さそり座の話です。
よろしくお願いしますどうぞー。

==以下 注釈==
※1:他にもいくつか説があり、かつ、この女神自身も、別の女神と同一人物だとか、設定てんこもりの女神です。それだけ愛されている女神なのだろうなあ。
※2:エジプト神話の冥界の王です。苦労人のようです。
※3:エジプト神話の冥界の神です。上↑のコピペではありません。オシリスは冥界の王様、アヌビスは冥界にいる神様です。えー、ミイラづくりの神様でもあり、頭部分が犬、山犬だそうです。ミイラづくりの神様って、すごい専門性高くないですか。
※4:エジプト神話では、一番知名度が高い神様だそうです。天空と太陽を司り、頭部分が鷹の姿です。
※5:死んでのち、何を供えられるのだろうなあ。これこそ、あの、死者のためにお墓に一緒に入れる副葬品のこと?
※6:たぶん、星占いに詳しいかたは、この記事のタイトルを見た時点でおわかりかと思うんですが。てんびん座の次は、さそり座なのでした。わたしが、えー、星座の本を読み返してざっくり文章にして、さー、記事にしようと思ったところで「あれ、ひょっとしててんびん座の次って……」と気がつきました。
このまま、いて座について紹介を続けます。よろしくなにとぞー。
※7:中国の話になりますが。南斗六星と北斗七星のエピソードがあります。
ある親子が道を歩いていると、人相見の老人と行き交い、老人は「その子ははたちまで生きられない」と言います。親子は、なんとかできないものかと相談したところ、
「明日、畑の向こうの大木の下で碁をしている老人がふたりいるから、酒と肴を持って行き、すすめなさい。
ふたりに何かを聞かれるまで口をきいてはいけない。聞かれたら、寿命のことを相談しなさい」
と、老人は知恵をさずけます。
翌日、親子は酒と肴を持って、大木のところへやって来ました。
北側にいかめしい顔の老人が座り、南側に温和な顔立ちの老人がいて、碁を打っていました。
親子は無言で酒を差し出し、肴をすすめて、碁が終わるのを待っていました。
勝負がつくと、北側の老人が「何をしにきた」と怖い顔で尋ねます。
親子は、怖々と寿命の話をしました。
北の老人は「寿命は変えることはできない」と断じますが、南の老人は「せっかく酒と肴をごちそうになったのだから」と、なにやら帳面を取り出し、子供の名前を聞きます。
その子の名前のところには、十九と書かれていました。南の老人は「じゃー、こうしよう」と十九をひっくり返して九十としました。
「これで九十歳まで生きられるからねー」と、南の老人は酒と肴の礼だと言いました。
親子は、人相見の老人のもとへ行き、見聞きしたことを伝えました。
北の怖い顔の老人は北斗七星で、死をつかさどり、南の老人は南斗六星で生をつかさどるのだそうです。
※8:さそり座の記事も、数日中に書こうと思っています。よろしくお願いします。
※9:ケンタウロスは、ケンタウロス族という一族の名前です。半人半馬。わたしもコレを書きながら、あらためて思ったんですが、ギリシャ神話、半人半獣、多いなあ、と。
I)ケンタウロス族(半人半馬)(個人名じゃない、一族の名前)(ナルニア国物語のセントールというのがこの一族にあたります)

『死せる詩人を抱くケンタウロス』ギュスターヴモロー。

『死せる詩人を抱くケンタウロス』ギュスターヴモロー。

II)パーン(一族じゃない、個人名)山羊の耳と足を持つ。旅人や家畜の群れを驚かせることがあり、パニックの語源と言われる。
デルトロ監督の『パンズラビリンス』のパンがこれにあたります。(スペイン語では「ファーン」て聞こえていましたが、えー、ローマ神話読みでは「ファウヌス」となるので、そんな雑なカンジで)

III)サテュロス族(個人名じゃない、一族の名前)(半人半山羊)山羊の耳と角、ひづめのついた足、長い尾を持つ。絵でぶどうを持っていたら、だいたいサテュロス。

ルーベンスのサテュロス。

これはルーベンスのサテュロス。角とぶどう。

IV)シレノス(セイレノスとも)(これも種族の名前、個人名じゃない)(サテュロスに、もっと分別と知恵を持たせて老成させた一族)皮肉や風刺が得意。絵で酒袋やぶどうを持っていて、禿頭のじい様として描かれていたら、だいたいシレノス。

『シレノス』アンソニー・ヴァン・ダイク

『シレノス』アンソニー・ヴァン・ダイク

※10:なんで馬の姿だったのかというと、クロノスにはお妃がいたため。はいはい。
※11:おとーさんが馬の姿で、おかーさんがひとの姿のエルフの間に生まれた半人半馬なら、それはケンタウロス一族と言っていいのかなあ、おとーさん神様だし、おかーさんエルフだし、ケンタウロス族の血、一滴も入ってな……。
※12:むしろ、ケンタウロス族の血が入ってないから、人格者、才人なんじゃないの……
※13:この星座の一連の記事で、この記事を初めて読むかたもいるかと思います。えー、ギリシャ神話というのは、ギリシャの土地土地でまとめたものなので、「これ!」という決定版がないのだそうです。
だから、ギリシャ神話の登場人物は、この話では亡くなっていても、こちらの話では別の土地へ移って、新しい生活をしていて、というような話がざくざくあります。
ロベルト カラッソというイタリアの作家が「(ギリシャ神話は)異説こそ起源である」と書いていて、やーもー、ほんとうに素晴らしい。そのひとつひとつ、違うエピソードこそオリジナルなのです。
※14:ポロス、うっかり過ぎる。
同じようなうっかりとして。
「ヴィーナスより美しい」と噂される人間の娘サイキに、愛と美の女神ヴィーナスが激怒して、息子のキューピッドに「最もみにくい男に恋するよう、サイキに矢を射なさい」と命じます。そんでキューピッドは言われた通りに矢をつがえるのですが、うっかり自分の手を傷つけてしまって「あ、おかーさんごめ……」と、いうような話があり。なんだろう、うっかり矢で自分を傷つけるって、古代ギリシャでは頻発する案件だったのでしょうか。
※15:実はポロスも、姿が半人半馬なだけで、血筋的には、ケンタウロス族の血が入っていないという説も読みました。「ケンタウルス座」のご本尊様が実はケンタウロス族【じゃない】っていいのか。

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