(ほぼ)真夜中のNotebookers的トライアルアンドエラー〜激闘DIY編

Posted on 15 2月 2018 by

外の新聞や雑誌のコラムで『ユーモア』というジャンルがあります(ジャンル、というか、カテゴリに分けるとしたら、おそらくそういう名前になるかと)。
わたしはこれがすごく好きでして、どういうものかというと、例えば、世相や流行りモノを笑い飛ばすような文章もあれば、もっと身近な話もあり。
つきあいなどで、まっっっっったく興味のない集まりにいかなければならない時、その時間をどう過ごすか、とか、友達の別荘に招かれた時、何を準備して行って、別荘では、どうふるまえばいいか、とか、interest ではなく、funny の方面で書かれたものです。
このユーモアというジャンル、わたしがたまらく好きなモチーフとして「友達の家に泊まった時、使わせてもらった洗面所」ネタ、そして「DIYや家電の配線」ネタがあります。

わたしを見かけませんでしたか

これはその一冊。コーリィ・フォード。すっごく好き。


興味を持たれたかたは…
>>【書評】コーリ・フォード『わたしを見かけませんでしたか?』/杉江松恋【Book Japan】
以上、前振り終わり。

先日、椅子と机を買いました。今まで使っていたのは、とても小さくて、PCと電話を置いたら、いっぱいいっぱいで、もう少し大きくて、ライトや棚がついていないシンプルなものが欲しいなあと思っていました。
あちこち、家具屋さんやホームセンターを見てまわり、ちょうどいいものを見つけました。
木目、白、黒など色が選べて、サイズも何種類かあって、高さも調節可能、お値段も予算内、ということで、椅子も一緒に注文しました。
お店のスタッフさんは「組み立てに、椅子がだいたい45分、机が15分ほどかかりますが、いいですか」と事前に教えてくれました。
ふたつ合わせて1時間くらいかー、と思い、その時は、軽ーーく了承しました。
この時点で、わたしは、このような記事を書くことになるとは知る由もありませんでした。

宅配便が来て、机の天板、脚のセット、椅子が届けられました。
当たり前ですが、とても大きい。
えー、休みの日に作ろう、と思い、二日ほど、玄関に机と脚を、キッチンの脇に椅子を置いていました。
とてもジャマでした。

二日後の休みの日、別の用ができてしまい、それを終わらせて家に帰ると夕方でした。
また別の日にしようかとも思いましたが、また数日、この大きな荷物を気にしながら過ごすのも、どうかなあ、と、その日、作業することにしました。
夕食を作って食べて、さー、作ろう、と、取りかかったのが、この時点で19時半過ぎ。

まず椅子を組み立てようと、PCを置いている部屋に持ってきました。
ウソです。重いので、持ってくるというより、引きずりました。
箱のガムテープを剥がしながら、ものの10秒ほどで思いました。
そうかー、組み立ては45分だけど、梱包を解くのは、また別なのねー、この時間は45分には入らないのねー。
箱を開けると、また薄手の段ボールにくるまれているパーツがありました。
段ボールをむしると、今度はぷちぷちで包まれています。
わたしはーー
立ち上がって、ゴミ袋を取りに行きました。
紙ゴミと、プラスチックゴミのための2枚です。無言でゴミを袋に押し込みました。
だめだ。静か過ぎる。BGMが欲しい。でも音楽より人が話している声がいい。
わたしはiPhoneに入れている映画『ダークナイトライジング』を再生しました。
よし、やる気が(多少は)出てきた。

そして椅子のパーツ、全て梱包をむしったところで、説明書を見ました。
まずは、パーツが全てそろっているか確認です。
座面、よし。背もたれ、よし。ひじかけ二つ、よし。脚のパーツ各種、よし。ネジのセット、よし。

そうかー、ここから45分で組み立てられるということなのだな。
なんか、こう、天板、多少傷ついてもいいから、簡易梱包版とかあればいいのに。梱包ぷちぷちだけ版とか。
なんなら、もう、梱包なしで持ってきてもらっていいよ。
などと、やさぐれながら、説明書を見て、組み立てを始めました。
まずは、座面にひじかけを取り付けます。12番のネジを使います。

なんて手順1で12番のネジなんだ。
そう思いましたが、説明書にはそう書いているので、セットから12番のネジを取り出しました。
背もたれの方向(後ろ)と正面を間違えないように……と、何度も確認して取り付けました。
片方のひじかけには3本のネジが必要なんですが。あれ、5本しかない。
ーー
ひじかけに全体重をかけることなんてないよね、今からホームセンターにも行けないし、よし、まずは、片方は2本で留めておこう。
そして手近にあったメモに書きました。12番1本不足。

最初の最初から、これでダイジョウブかなあと思いましたが、折しも『ダークナイトライジング』ぼっちゃまが奈落から這い上がるシーンでした。囚人たちがぼっちゃまを激励して「でしでし」とコールしています。
ちょっと元気が出ました。よし、次行こう次。
次の手順は、高さを調整するレバー部分を座面に取り付けます。
手順2は10番のネジでした。
12の次は10なんだ、さかのぼるんだ……
これは問題なく、ネジの数があっていました。
ねじねじとねじこみました。

行程3、背もたれを座面に取り付けます。
11番のネジです。
1本をねじこんで思いました。あれ、これって、確実に太さが違うよね。あれ。
落ち着こう。
わたしはそう自分に言い聞かせて、ネジのセットを見ました。
ネジのセットというのは、例えば、市販薬のバファリンやイブのようなつくりで、薬が入っているスペースがもっと大きくて、そこにネジが入っていて、数字も書かれているのですが。
よく見たら。
気がつきました。印刷がずれている。

ネジセット 印刷ズレ

大幅に印刷がずれていました。


このように、数字が上端ギリギリのところに印刷されて、全体的にずれているのです。
わたしが12だと思ったネジは、まったくの別のネジでした。つまり。
行程1と2のやり直しです。
左右のひじかけ、レバー調整パーツのネジを全て外しました。
説明書には「しっかりきっちり留めてください」と書かれていたので、わたしは力の限り、締めました。
それを外すのです。……締めた時より、ずっと時間がかかりました。
そうよねー、間違えたネジを外す時間ていうのは、45分のうちに入らないよねー。

作業時間45分
(ただし、梱包を解く時間は含まないものとする)
(ただし、間違えたネジを外して、締め直す時間も含まないものとする)

このくらいは、書いてほしいよねー、などと思いながらネジを締め直していました。
そして、この時。
ドライバーが手からすべってしまい、持っていたネジがどこかへ転がっていきました。

わたしは。
前振りの、『ユーモア』というジャンルのコラム、その文章が、わたしの頭の中で走馬灯のように駆け巡り、あざやかに再生されました。
庭で芝刈り機を使っていたら、調子悪くなって、ちょっと分解してみたら、ネジがどっか転がっていったとか、ピンみたいな何だったか、DIYの材料をうっかり袋ごと落としてしまって、何とかとか。
おもしろーい、と笑って楽しんでいたあのコラムが、今、わたしの現実となっている。

探しました。
作業するので、だいたい床は片付けていましたが、それでも見つけるのに数分かかりました。

作業時間45分
(ただし、梱包を解く時間は含まないものとする)
(ただし、間違えたネジを外して、締め直す時間も含まないものとする)
(ただし、ネジを落としたりして、探す時間は含まないものとする)←NEW!

とにかく、ネジはしっかり持とう。
こうして、ひとは賢くなっていくのだ、と、次、いつ役立つのかわからない知恵を胸に刻み、ゴッサムが危機に陥っている、ゴードン本部長がんばれ、と思いながら、次の行程へ。

脚です。
このワークチェアは、1本の支柱で座面を支え、その支柱を4本のタコの足のように広げたパーツで立たせるというものです。
このタコ足は9番のネジで留めます。1本のパーツにつき、2本のネジが必要です。
この行程は割とすぐに終わりました。
そして、そのタコ足にローラーを取り付けます。
これにはネジで留める指示はありませんでした。ローラーは手で取り付けます。
ここへきて、物理的な力が必要とされる指示が出されました。
意を決して、わたしはひとつのローラーを手に取り、タコ足の先っちょにはめ込みます。
……
わたしは、ヒーローは誰にでもなれる、悲しむ子供の肩に上着を着せ掛ければいいんだ、あー、三部作の「大丈夫だ」という一連の台詞の流れが完成したなー、などと思いつつ、いったん動画を終了させて、サファリを立ち上げ、ホームセンターの名前を検索し、サイト内から椅子の画像を見てみました。
足元の方を拡大します。
そうか、と思いました。
その時、わたしの手元にあったゲンブツの足には、薄い線(筋というか、刻み目)が入っていました。
検索した画像にはその線は見えませんでした。
おそらく、その線までローラーを入れないといけないのでしょう。
壁とか床に叩きつけたら線まで入る? 足で踏みつける? いっそのこと、ローラーでごろごろしなくても立てばいいよね、ローラーの代わりに、ほら、100均で売ってるテーブルの足の跡がつかないようにするカバーかければいいんじゃないの、などと考え、この時、あー、これもNotebookersの記事にしようと思いました。
以前にも真夜中に、ワインのコルクを引っぱって、ねじ込んで、と、試行錯誤がありました

作業時間45分
(ただし、梱包を解く時間は含まないものとする)
(ただし、間違えたネジを外して、締め直す時間も含まないものとする)
(ただし、ネジを落としたりして、探す時間も、当然、含まないものとする)
(ただし、標準的握力を持たない作業者の場合は、この限りではない)←NEW!

ただし書き、省略しすぎじゃない?
ようやくローラーを4つはめることができ、椅子が完成しました。
はー、やれやれ、と、小さいゴミを片付けながら、またしてもわたしは固まりました。
ネジセットに、まだぜんぜん使ってないのがあるーー!!
ふたたび、前振りの、ユーモアコラム、面白がって、いくつも読んだDIYネタが思い出されました。
そうかーー! ネジを失うネタと同じくらい、ネジが余るネタもあったーー!!
ひょ、ひょっとして、全部やり直し? 半分くらい? このネジ、どこに使うの???
わたしは、説明書を最初のページから見直しました。
へたへた、と力が抜けていきました。予備のネジでした。良かったーー! あーー! 良かったー!!

(脱力の状態から)よじのるようにして初めて椅子に座った時、あ”ーーーーと、文字に表わせない音が口から漏れました。
しばらく椅子に座ったまま、イロイロなモノを噛み締めていました。
ローラーをはめていた時、あー、お茶が飲みたいわーと思っていたので、ひとやすみすることにしました。
紅茶を入れて、甘いものをちょっと食べました。さあ、後半戦だ。

机です。作業時間15分と書いています。
ハハハ、わかってるよ、梱包を解く時間はカウントせずに、ネジを間違わず、かつネジが転がってどっか行かなければ15分で作ることができるんでしょハハハ。

しかし、わたしはちょっと期待していました。
机のパーツは、天板と足が4本です。椅子よりもずっと少ない。
ひょっとしてかなり早く作れるかもしれない、とちらりと思いました。
思っただけでしたハハハ。

天板は、幅が大きめのものを買いました。1メートルと少しあります。
それを玄関から持ち込むのです。重い。そして、天板なので、ただの薄い段ボールの箱です。
手をかける、ちょうどいいデコボコがない。決して大きな家ではないですが、それでもずりずりと、玄関からかなりの距離をひきずったように思いました(重かっただけで、本当に短い距離です)。
そして、カッターを使って梱包を解いていったんですが。
……なんか、テープが頑丈だ……
上辺、正面の合わせ目、下辺のテープを切りました。が、筋が入っただけで切れていませんでした。
わたしは、大きなハサミを持ってきて、刃をカッターのように使ってテープを切りました。
めりめり、と、観音開き状態に箱を開けます。
またしても、内容物が段ボールとぷちぷちで包装されていました。
無言でむしむしとむしり、そうだと思い出して、またiPhoneでダークナイトライジングを再生しました。
「もう火はついたのか」
ついたよ、もう今更、これを放り出してお布団へ入れないよ、と、わたしは、キッチンへ行って、また紙ゴミとプラスチックゴミの袋を持ってきて、大量に出たゴミをまとめました。

ようやく天板様ご本体にお目にかかれました。
脚4本も梱包を解きます。これは50センチほどの高さの箱で、ものすごく簡単に開けられました。かつ、梱包もぷちぷちのみで、ありがとう! 誰にお礼を言えばいいかわかんないけど、とにかくありがとう!と思いました。
あとは、脚を天板に取り付けるだけです。
そこでふと思いつきました。15分というのなら、何分かかるか測ってみよう。
動画を終了させてタイマーのストップウォッチを立ち上げました。
4本の脚を、各4本のネジで留めて、8分弱でした。

すごい!すごいよね!ほぼ半分!ほぼ半分で出来たよ!!と、ものすごくひとりで盛り上がりました。

しかしながら、まだ行程は終わっていませんでした。
そうか、脚の高さを設定しなければ。

わたしは、ちょっと高さのある机がいいなあとずっと思っていました。
それで調整ができる脚を選びました。
メジャーを持ってきて、脚の高さを測りました。75センチ前後くらいに設定しました。
この高さをネジで固定します。
脚1本にネジ2本です。これも時間を測ると、7分前後でした。
すごい!ホントに15分くらいでできた!すごい!!

そのイキオイのまま、机を移動させ、ひっくり返して壁際に設置し、椅子と合わせました。
あれ。
高すぎた?
えー、脚部分と、脚と天板をつなぐ金具、天板の厚みを入れると80センチ近くになっていました。
あれ。

作業時間15分
(ただし、梱包を解く時間は含まないものとする)
(ただし、間違えたネジを外して、締め直す時間も含まないものとする)
(ただし、ネジを落としたりして、探す時間も、当然、含まないものとする)
(ただし、標準的握力を持たない作業者の場合は、この限りではない)
(ただし、脚の高さの設定を間違えて、やり直す時間は含まないものとする)←NEW!

最初に、高さの設定をした時は、机を立てていました。
(つまり、脚が横に伸びている状態)その状態で、やり直しするならともかく、今はもう机として、脚で立って、天板を支えている、ここから高さの変更ができるのか。

この時、浮かんだ案として、高さ調整のネジはひとつだけゆるく留める、そんで、実際の高さを見つつ、最終的に締める。この時点で、たしか22時半過ぎだったと思います。
わたしはドライバーを握り締め、お机様の足元にひれ伏し、ネジをゆるめ始めました。

最適だと思う高さにできた時。
23時半にはなっていませんでした。
(二度ほど休憩、というか、できたてほやほやの椅子で虚無感に捕われていました)
お茶の時間と休憩をはさみ、4時間弱。
お疲れ様でした。

【おまけ】

せっかく設置した机じゃなくて。

Name:
Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

Photos from our Flickr stream

See all photos

2018年5月
« 4月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

アーカイブ