Categorized | 世界の果て, 獏部

欠片製造者&おまけ ピース・メーカー

Posted on 21 12月 2018 by

眉を動かすだけで世界は砕ける
探求は砕く方向にしか進まない
収集した破片を不器用に固める
自分がいない世界を知るために

砕ける以前の世界なんて無いし
そこが完全世界だなんて幻想だ
対称性の破れ、余りものの破片
この世はもともと砕かれている

砕かれたものを知るために砕く
砕いたことを恐れて繋ぎ合わす
そうやってマレーバクは生まれ
大脳辺縁系は爆発的に進化した

見失われた欠片を補う想像力は
砕かれる以前の世界を捏造した
砕けた欠片の砕かれた世界の中
ないものを信じる力に囚われた

絶対に舐めて溶かすな噛み砕け
前歯で割って奥歯ですり潰して
浜の砂より片栗粉より石灰より
微細な粉塵にして吹き飛ばして

さざれ石の磐となりて苔の生す
そんな輪廻を乗り越えるために
渦撒く思念までも吹き散らして
全ての全てが一にまとまるまで

(贈与)

おまけ

文具俳句(コンパス・消しゴム・筆箱・絵具)

コンパスの一肢がおどり冬雲刺す             小暮洗葦
コンパスが描きちらしたる曼珠沙華            三嶋隆英
燈台をコンパスとして海涼し               下村梅子

消しゴムを借りしかの人かの時間             上野草魚子
消しゴムは投げ捨ててゆく初潮の日            畑井貴晶
消しゴムの消屑をわが掃納め               鷹羽狩行
山笑う消しゴムでその山を消す              清水冬視
真四角な消しゴムをのせ受験票              森田公司
ささくれ立つ消しゴムの夜で死にゆく鳥          赤尾兜子
紙に掬ふ消しゴムの屑啄木忌               奥谷亞津子
春愁や消しゴムの屑手にあつめ              足立 とみ
消しゴムがもう少し痩せた頃に夏             櫂未知子
消しゴムを買いためている桜桃忌             たまきまき
私を消す消しゴムがない晩秋               栗林千津
消しゴムや麓の川を川蒸気                攝津幸彦
消しゴムと鉛筆の机蓬餅                 瀧井孝作

筆箱の中の宇宙の鬼やんま                正岡 豊
げんげ道筆箱が鳴るランドセル              吉原文音

色のない絵の具で熊手塗りにけり             猪原丸申
そり返る絵の具のチューブ夏旺ん             平吹史子
白き皿に絵の具を溶けば春浅し              夏目漱石
かはせみや絵の具を流すおのが影             馬光
絵の具箱明日は林間学校へ                西村和子
落ち葉道描くとき絵の具ねむらせる            栗林千津
初冬や石油で洗ふ絵の具筆                栗林千津
蓮池の水もて絵の具溶きにけり              辻桃子
菊さけり蝶来て遊べ絵の具皿               服部嵐雪
新緑やこつてリ絵の具つけて描く             高田風人子
幾春の絵の具や兀し涅槃像                松岡青蘿

Name:
Profile: みんな「時」にくだかれたかけら/かけらからかけらを作る/ くだける前を知らないまま/作ったかけらをモザイクにする/ つぎはぎだらけの世界/どうか美しくありますように/

Photos from our Flickr stream

See all photos

2019年3月
« 2月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ