野外のこと数点。
ヘイ、こんばんはタカヤです。
最近はみなさん焚き火しているかな?地平線は見たかい?
山から平野に抜けてさまよっていると、ヒッピーの村によくたどり着く。そこではいろんな人々が暮らしているのだけど、不思議なことに大半地図には載っていない。メルヴィルの白鯨にもあったように、「そこはどんな地図にも載っていない。ほんとうの場所はけっして載らないものなのだ」。海外からの移住者も多く、山の急斜面であっても畑を耕して、自給自足で自分の国の野菜を育てて暮らしている。日本ではあまり見たことのない野菜や自家製の燻製を分けてもらったり、BBQとビールをごちそうになったり、地面を掘って湧き出た井戸水を分けてもらってお米を炊いたり、干し草をつめこんだ温室で眠らせてもらったりしながら、再び野に出てさまよっている。
先日深夜に湖に潜る機会があって、シュノーケルをして水深2~3メートルくらいのところに潜ってライトで底を照らしてみると、びっしりと目を光らせたエビがいた。
最近狩猟について学んでいる。ヘッドフォンで海外のハウスとかエレクトロニカを聴きながら、獣の痕跡を探して口笛ぴーぷー吹いて歩いている。山野をさまよっていると気が付くのだけど、自分はアウトドアとして楽しんでいるというよりは、文学的に世界をとらえている節があって、都会にいるよりも野外にいるほうが、世界がなんとなくリアルだ。不思議な人々に出会い、おもしろい出来事にぶつかる。蚊に刺されながら腰からぶらさげたモレスキンに考え事を書き留めていく。情報カードはデータベース的に使うのがよろしいと最近気が付いた。さまよいながら学んだことなど、トラップに関する知識や、狩猟鳥獣の知識などフィールドで役立つようにトラベラーズノートブックのジップフォルダーに収めて入れていく。
荷物を軽減するためにテントは持ち歩かず、Amazonで1000円で買ったハンモックと寝袋だけで十分眠れることを知った。山の斜面であっても樹木が二本立っているだけで、地面を気にせず眠ることができて、しかも快適だ。森中から枯れ枝を集めてきて焚き火しながら近くにハンモックをぶらさげて眠るとぐっすりと眠れる。そのまま眠るとお尻がスースーするので、ハンモックの上で寝袋に入って、上から毛布をかけて眠る。朝方はひどく寒いから。
深夜しーんとした山の中で読書するのだけど、最初はものすごく怖かった気がする。遠くから枝をふむパキという音が聞こえただけでビクっとしたんだけど、 今では特に気にもならず、むしろ誰か炎にでもあたりにくるといいのにと思ってる。たとえば、深夜に炎を起こして本を読んでいるときに、森の奥から誰かがとつぜんあらわれて、無言で炎の近くに座ったとしても、いつでも「サンドイッチ食べるかい?」とか「コーヒーでも飲むかい?」と声をかけることができる。過 去に、「タカヤさんは森の奥の家の暖炉の前で炎に当たりながら、ぐるっと丸まって眠る黒い犬だと思う」といわれたことがあるのだけど、ものすごく気に入っ ている。そういうイメージに自分の姿を少しでも近づけていくことが、自分の世界での目的なのかもしれない。おかげで地平線上に燃えるシリウスを探すことが多い。
森をたっぷりと歩いて、持てるだけの枯れ枝を拾い、あなたのために焚き火を燃やしたなら、僕のできる限りの歓迎です。