七月最後の日曜日は、わたしのツイッターのタイムラインではちょっとしたお祭りのようになります。
イタリアの作家タブッキが『レクイエム』という作品を書いていまして。
舞台はポルトガルのリスボン、とても暑い真夏の日、これが七月最後の日曜日なのです。
主人公は歩いて回り、生きているひと、死んでしまったひと、存在していないかも知れないひとと出会い、話しをして、また別れていきます。
それだけの物語なのですが、ファンは多く、この日、わたしのタイムラインでは、フォロワーさんたちが『レクイエム』の好きな一節を流し、登場人物が食べたリスボンの名物料理の画像をアップし、合い言葉のように『七月最後の日曜日』とつぶやいています。
去年は7月26日でした。今年は7月31日。先日、ふと思ったんですが、イースターやペンテコステと同じ、移動祝祭日だ。
今日はぼくにとって、とても不思議な日なんです。夢を見ている最中なのに、それが現実のようにも思えてくる。ぼくは記憶のなかにしか存在しない人間にこれから会わなければなりません。今日は七月最後の日曜日ですね、足の悪い宝くじ売りが言った。町はからっぽ、木蔭にいても四〇度はある。記憶のなかにしか存在しないひとに会うのは申し分のない一日だと思いますよ。
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えー、そのタブッキ祭りがもうすぐなワケですが、作品レビューの記事ではないです。
最近、ムーンプランナーのオモシロい使い方をちょっと見つけまして。
その紹介をしてみようと思います。

ムーンプランナーとできたことノートとアルテミスとSTORAGE.it
先日、ツイッターで、ムーンプランナー【公式】(@moonplanner)さんがこんなことをつぶやかれていました。
へー、『できたことノート』かー、と、この時はまだ漠然と「そういう本があるんだー」くらいに考えていました。
以前、こういう記事を書きました。そんで、目標を書いて、ウィッシュリストも書いて、持ち歩いていたのですが。
この7月の13、14日くらいに、ムーンプランナーを見返していて、空白がちょっと目立つなあ、この期間もできてなかったなあ、と落ち込んでいまして。
ですが、以前の記事にも書いたように「自分を責めるような使い方はしなくていい」という言葉を思い出し、また、満月が近いから落ち込むのだろう、くらいに考えて、ムーンプランナーの空白とできてないことは、ひとまず置いておくことにしました。
その時、ふ と『できたことノート』が思い出されまして。
「じゃー、見てみよう」と本屋さんへ行きました。

これは『できたことノート』の表紙見返しの部分
これを見て、即レジへ行きました。
読んでみると、ムーンプランナーにぴったりの内容だなあ、と。
『できたことノート』、ノートに書くことは非常にシンプルです。
数日の実践、その記録、振り返り、次の期間にはどんな工夫をする? という流れで、読んだ時、ムーンプランナーの見開きページが自然と浮かびました。
やー、コラボすればいいのに、と思うくらいでした。
せっかくなので、満月の7月20日までの間、このできたことノートのメソッドを実際に試してみました。
毎日書く内容は、その日できたこと。
例えば「スッキリすること」「わくわくすること」「ハツラツヘルシー系」「時間」「習慣化」などで、具体的には
「片付けた」「ドリルを一冊終わらせた」(スッキリ)
「駅で階段を使った」「野菜を多めに食べた」(ハツラツ)
「納期を守った」「いつもより30分早く出社した」(時間)
と、本文に例がたくさん上げられています。
◎わたし的書き方ポイントとして
『できたこと』を書く。『良かったこと』『嬉しかったこと』ではない。
自分が実行したこと、身体を動かしてしたこと、AとB、自分の目的により近い方を選択すること、などが『できたこと』。初日に書いたのが「嬉しかったこと」で、あれー、これ違うよね、書き直し書き直しー、となりました。
これを一週間続けて、日曜日(日曜に限らず、いつでもいいのですが)に振り返る。その振り返りの内容もまたシンプルで、まず、その期間中にできたことを一つ、《直感》で選びます(て書きましたが、どれを選んでもダイジョウブだそうです)。
その選んだ出来事を掘り下げて書いていきます。
1)詳しい事実(具体的には何があったか)
日時、場所、誰と、何を どうしたのか。いわゆる 4W1H を書き出します。
2)原因の分析:なぜそれができたのか
以下本文より引用。
「レポートをうまく作成することができた」
・なぜうまく作成できたんだろう?
→とても良い参考資料を見てつくったからだ
↓
・なぜよい参考資料を見つけられたんだろう?
→同僚が紹介してくれたからだ
(略)
このように「なぜ?」を繰り返すと、「上手に作成できた理由」が見えてきます。
3)本音の感情:いま、素直にどう感じている?
できたことに対して、原因の分析をした結果に対して、どう感じているか、を書きます。
この時、無理に喜ばなくてもいいそうです。
できたことに対して腹立だしい、悲しい、苦しいのなら、そう書いてもいいんだそうです。
◎わたし的書き方ポイントとして
これ、すごくいいと思いました。自分の中に深く潜っていく感じがします。
いつもなら、流してしまう自分の意識を改めて見つめる、向き合っている実感が得られます。
それとオモシロいなあと思ったのが、本音の感情は、書いているうちに変化するということ。
手を動かして書いているその瞬間にも、どんどん変わっていきます。
自分の中に何かが流れて動いている、変化しているのがものすごく感じられます。
4)次なる行動:明日からどんな工夫をしてみる?
原因の分析や本音の感情から「もっとこうしてみよう」「これはやめよう、ここは続けてみよう」という改善点を書きます。
これをムーンプランナーで実践すると。
1)満月・新月の大きなスペースには、その期間の目標や計画を書く。これはいつものそのままの使い方。
2)日々のスペースに『できたこと』を書く(別の手帳に書いても、ふせん貼っていいかも。できたことの量による?)
3)半月に振り返る。これも別の手帳じゃないと書けないかなあ。ふせんでもいいかも。次の期間の改善点、工夫などは、満月・新月の大きなスペースに書き足してもいいし、下のメモ部分に書いてもいいんじゃないかと。
4)実践しつつ、改善点に留意しつつ、次の見開きページへ。
本当にこの『できたことノート』メソッド、ムーンプランナーのためにある、というか、そのくらいフォーマットがメソッドに合っていると思います。
空白が目立つのが気になる方は、ちょっと本を見てみて、実践されてみてはいかがでしょうかー。
あと、すごくいいなあと思ったのが、「できたこと」であれば、どんな小さなことでもいい、こと。
毎日「できたこと」を書いていて、例えば「早寝早起きできた」、これを振り返りの日に選んで、1)詳しい事実から順番に書いていると
「早寝早起きって、小学生の夏休みの目標かーー!」
とか
「こんなのできて当たり前じゃない?」
というセルフツッコミが入らなくもないのですが。(わたし、一回目の振り返りがほぼコレに近いもので、思いっきりセルフツッコミを入れました)
が、今まで夜更かしして寝坊していて、それを改めようとして「早寝早起き」を意識し、次の日、それができたなら「できたこと」として書いていいし、振り返りの日にそれを選んでいいんだそうです。
以下、引用。
中には、仕事や勉強、家事、育児などは「がんばるのが当たり前。そこをあえて見つめる必要があるの?」と考える方もいます。また「こんな小さなことをメモしても仕方ない」と思う方もいるでしょう。(略)
日々の「できたこと」を見つけていくことは、自分を「思い込み」から解き放つ準備のために必要だからです。毎日できたことをコツコツとメモしていくことで、自分を外から眺める感覚を自然と身につけることができるのです。
このように、自分を客観的に見て、プラスの評価をすることは、自分を心の底から認めることにつながり、自己肯定感を大きく上げることになります。それが揺るぎのない自信となり、前に進む力となるのです。
(『できたことノート』ここではカンタンに説明しています。本では、もっと書き方のコツや、考え方、さらに一歩踏み込んだ考え方、進め方などが詳しく書かれています。興味を持たれた方は、ぜひー)
もうひとつ、ものすごく実感したのが『時間の流れ』です。
振り返りの日に、1)具体的には 2)原因の分析… と書いていくと、1)は1)、2)は2)じゃなくて、それが一続きの流れに感じます。
書くのは、きちんと順番に1)から書いていくんですが、意識の流れとして、日々できたこと、それを順番に見てひとつを選んで、詳細を思い出し、その時に生まれた感情、本音を書き、その本音から、今度は次の期間への留意点を書く… すごく自然な流れに感じられ、この一連の振り返り作業は、とても心地良いです。
このできたことノートとムーンプランナー、わたし的には、ものすごく相性が良いようで、書いていてわくわくするコンビとなりました。次の新月が8月3日、獅子座の新月だそうです(ちなみにわたしも獅子座)、またごりごり書き込んで使っていこうと思います。またオモシロい展開になったら記事にしたいなあ。
おまけ■■■
物語売りは腕を下げ、なにかを差し出すかのように、わたしに向かって手を伸ばした。今夜の月を差し上げましょう、物語売りは言った。お望みどおりの話を差し上げます。あなたもなにか物語が聞きたいはずだ。
『レクイエム』タブッキ