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赤いリボンがつなぐメッセージ。 震災時にあなたは 何を感じましたか? タカヤ・モレカウ

Posted on 11 3月 2012 by

本日は、もうひとつのモレスキン本2を紹介します。
タカヤがモレ本2の中で担当したりっかさんの記事の初稿です(モレ本2の190P参照)。

 

赤いリボンがつなぐメッセージ。

震災時にあなたは 何を感じましたか?

あえてこのページでは、2011年3月11日午後2時46分に日本を襲った震災について触れたいと思います。地球の自転に影響を与えるほどの大きな地震と津波が日本を襲った後に、私たちは多くの大切なものを失い、そして大きく心が動きました。そして現時点でも、震災の影響は放射能汚染となって深刻な影響を与えています。

帯にモレスキンをさした姿がきりりと似合う、着物姿などの和装でモレスキンを使う機会の多い京都在住のセラピストりっかさんの所有しているモレスキンのお話を伺いました。

震災の当日、りっかさんは仕事で大きな催事があり、その準備で京都を駆け回っていました。京都も揺れたのですが、そのときは全く気づかず16時くらいに職場に戻って初めて、東北地方で大きな地震と津波が起きていたことに気付きました。マグニチュードと場所を聞いて、心臓が止まるかと思いました。弟一家が仙台住まいだったのです。すぐに「阪神大震災」のときの光景が浮かびました。小さな姪っ子と生まれたての甥っ子がいるのです。でも、仕事中に私用電話などはできず、結局胸が潰れそうなまま残業を終え、すぐに実家に連絡すると、とりあえず弟一家の4人は怪我もなく生きているという連絡があったことを知り、とてもとてもほっとしました。でも、実家もそれくらいの情報しか分からず、自分が弟一家に直接コンタクトをとった訳でもなかったので、それでも母と、良いほうを語り合って電話を切りました。

母と電話を切った後に、急にこころが落ち着いた気持ちになって、馴染みのバーにお酒を飲みに行きました。りっかさんにとって、とてもほっとする楽しい場所です。そこには仲良しの常連客と店長がいました。私たちは、互いに顔を見るなり「地震!」と互いに指を指して叫びました。みな、阪神大震災の記憶が強烈で、私たちは当時の話をたくさんしました。お酒を飲みながら、あのときこんなだったねえ、としみじみ語り合ったり、ふとバカな話に転んで笑い合ったり、また気持ちが戻って悲しみが襲ってきたり…。それでも体にしみ込むようななんとも言えない「気持ち」が、帰るときには少しだけ持ち直していました。

翌日は朝から恋人に逢う約束でした。恋人は少し遠いところにいるのです。時間には目覚めることができたのですが、ものすごく体も気持ちも重たすぎて動けなくて、日曜日も仕事だし、東京のように電車が止まったりすると困るから、という理由を作って、悪いなと思いながらも会うのをやめました。それから1日の間で何度も、寝たり起きたりしたと思います。何度も仙台が心配で、神戸のようになっていないか確認したくてテレビをつけるのですが、津波のニュースしかやってなくて、それを5分も観ているとどうしようもなく落ち込んでいくので観ていられなくて、テレビを消しました。

その日は、とても落ち込みました…。何を思っていたのかなあ…、弟たちが心配というのもあるのですが、東北地方の方々の気持ちが振動として体中に伝わってきて、共鳴しているかのような気分でした。なんだろう、「悲しみ」が自分のものとして体に入ってきて、他人と自分の区別がつかなくなりました。何事も起きていない関西にいて、こんなに落ち込んで、なんにもできなくなって、ぐずぐず泣いてる私なんて価値がないと思いました。

SNSを通じて、そこに溢れる「力強いことば」を読んでいて、なんでみんなこんなに強いんだろう、人のために、自分のショックを抱えながらも立ち上がって助けようとできるんだろう。ひきかえ、自分はなんて弱すぎるんだろう。私も何にもないんだから、何かしなくちゃいけない、なんでもいいから、何かしたい、と思いました。ただ、何かをしたい、何が、何なら、私にできるんだろう?と、ただずっと考えていました。義務や使命・・・とても重たいことを考えて、答えも出せず、ぐるぐるとループして重油の中を歩いているような気分でした。私は元気だし被災していないから…。すごくしんどかったなあ。ものすごくしんどかったです。それだけです。そして、それはものすごく長かったように感じています。

その後、関西のモレスキン・ミーティングを通じて、モレスキン・ユーザー同士で「京都紙モノ巡りやろうよ、おしゃべりするだけでもいいから集まろうよ!」という話があって集まりました。

このことがきっかけとなり、モレスキンの中に皆で「明るい応援のメッセージ」を集めて、ページをみんなで埋めて行ったら、少しでも何かになるんじゃないかと思ったことがきっかけとなり、この「東日本応援モレスキン」が生まれました。

東日本へいつか届けたいと気持ちと、そして皆でメッセージをつなぐ意志をこめて、ページが全てつながっているジャパニーズ・アルバムを使いました。初めに願いと希望、祝福の意志を込めて「赤いリボンのマスキングテープ」を全体でつなぐように貼り、あとは皆でそれぞれ思い思いにモレスキンを、言葉や絵、写真等をコラージュして埋めて行きました。赤をアクセントカラーにして、手をつなぐイメージや、鳥の羽、手をつなぐイメージ、ハートのポップアップやメッセージが全体を埋めています。

私たちにとってこれは「とても小さなモレスキン」です。ですが、自分たちが震災に対してできる「ほんのわずかな小さな物事」が、このモレスキンを通じて大きくつながった気がしました。

このモレスキンは、参加した皆と被災された方々のモレスキンであると考えています。そして、多くの方の書き込みでつないで行きたいと考えています。そして東北地方の方に深い哀悼の意を表したいと思います。

りっかさんが、震災で感じたこと。言うまでもなく、これは日本に住む「私たち」が感じたことでもあります。一つの大きな脅威が訪れたときに「不安」という大きな大きな強いイメージが、私たちの頭上に巨大な曇り空のように浮かび上がります。それは空に向かって弾丸を撃とうとも、何度手でこすっても簡単には消えて行きません。

時として、一冊の小さなノートブックが、あなたの孤独に寄り添って、わずかな心の支えとなることがあるかもしれません。それはとてもとても「小さくささやかなこと」ですが、あなたの頭上のぶ厚い雲に細い針を穿つように光の筋を通すことがあるかもしれません。時として。

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Profile: Notebookers.jpの管理人。Twitter: @blanq  狩猟者でヒッピー。通称: 「モレカウ」。240人ちょいのライターによるノートブックユーザーのサイト (link: http://Notebookers.jp) Notebookers.jp 管理人。モレスキンについてたぶん世界一つぶやいた男。著作:ダイヤモンド社『モレスキン 人生を入れる61の使い方』。世界の果てと地平線をこよなく愛してる。「俺も好きにするから君も好きにしなさい」という感じで生きています。愛読書はリチャード・バックの「イリュージョン」と「カモメのジョナサン」、ヴェルヌの「海底二万里」。永遠のヒーローはAndy Warhol

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