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Notebookers読書会@2日目レポート

Posted on 17 3月 2012 by

『書物とは忘れ去ってしまうには惜しい事物を保存しておくための道具で、書物自体には、なんら魔術的なものは存在しておらん。魔術的なものがあるのは、書物が語っておるその内容です』

Notebookers読書会@2日目レポートです。
1日目はコチラ

この日もイイ感じに異種格闘技世界王者決定戦なラインナップでした。
モトキ(@ceeno37)さん『追憶の一九八九年』(高橋源一郎)
みなと(@minato_nozomu)さん『破軍の星』(北方謙三)
ワタシ@せら(@Treasure_Table)『キリマンジャロ機』(ブラッドベリ)

『日記文学』『歴史小説』『ファンタジー』と、共通しているのは「日本で出版された本」くらい?
ですが、2日目も、ほんっとーーーに!楽しかった!!

おふたりとも、当日持って来た本について、ちょっと話していたんですが。
モトキさん:本を選ぶのに、本棚以外にも(ベッドの下などに)置いているので、まず、探すことも大変だった。
みなとさん:本を選べずに本棚の前で正座。風邪を引きかけたそうです…。

実は1日目の縫子さんとロータスさんも、その1冊を選ぶのが、ものすごく大変だったそうです。
やー、Notebookersは趣味が広いので、ちょっとくらいは制限した方がいいのかも知れない。
赤っぽい表紙、とか、◯年代以降の出版、作家を限定してみる、とか。

2日目のラインナップ

こんなカンジで。2日目のラインナップ。

で、話してもらいました。
■追憶の一九八九年(高橋源一郎)(SWITCH連載)
1989年、ちょうど昭和と平成の境目の年、その1年の記録。
ホントーに日記、競馬(の予想)と本とCDと奥さんの買い物(主にPINK HOUSE)について、日々を淡々と綴っていて、山とか谷がなく。
出版社の編集者さんに「もっと面白いことはないのか」と言われたくらいの生活の定点観測本だそうです。

モトキさんの好きポイント
1)全部。

すごくわかる!全部好きってすごくわかる!!
コレは文庫本なんですが。
すごくイイ感じに変色していて、ちょっと角が折れているところとか、持った時の手に馴染む感じとか、もうずーーーっと持ち歩いているのがすごくわかる。そんな状態の本でした。
(これを選んだのも、どれも選べなくて妹さんに相談したところ、「いつも持ち歩いているアレは?」と言われて、とか)
本自体、そのものを見るだけで、愛されてずっと手に取られているのがわかるなあ、と。
こういう本を見るとすごく嬉しくなる。

モトキさんは日記文学が好きで、他にも武田百合子の『富士日記』や、市川実和子他『縷縷日記』、沢村貞子の『わたしの献立日記』などの話題も。

えー。
モトキさんは、月に1回、とあるモニュメントを写真に撮っていて、ワタシはこれがすごく好きで、オフ会などでお会いした時に見せてもらっているんですが。
定点観測、それが誰かの日常でも、ご自分が撮る写真でも、同じではない同じものがお好きなのかなーと思ってみたり。

淡々としていて山も谷もない日記が、文学として成立するのは、現実としての強み、つまんないこと、つまんない毎日だったとしても、それがリアルだよ、というきっぱりした強さを表現できるからでは、と、そういうコトもぽろりと考えて。

■『破軍の星』(北方謙三)
みなとさんの好きポイント
1)全部。

(…多分、ワタシも吉川平家物語のどこが好き?と聞かれたら、きっと「全部」って言うと思う。うん。)

えー。
北方氏の作風、主人公北畠顕家の人生そのものがイイ感じに合っていて、非常に密度の高い、書き込まれた物語だそうで、ちょっと見せてもらったんですが、もうホントに最初のページの二文くらいで心臓を鷲掴みされたような。

みなとさんは他にもたくさん本を持って来て下さって。
中国で買ったという三国志の切り紙の本とか(全部手作り!総ハンドメイド本!!)、
これもひとつの日記文学かも?『風雪のビヴァーク』登山家松濤明(まつなみ あきら)氏の本なんですが、遭難して亡くなるまでのメモがまとめられていました。後半に少し手書きのメモのページもあったりして。
最後の二日分は、もう本当に胸が痛くなるようなメモだったなあ。
(出版社によっては、手書きメモが全文掲載されている版もあるようです)
松濤氏の手帳は山岳系の博物館に展示されているそうで、みなとさんがそれを見に行って、本物はやはり迫力があった、という話もしたり。
後、映画『ギャラクシークエスト』のパンフレットも持って来てくれましたー♪
なんかもう、『愛された作品』と『それを愛したファン』て、いいなあ、この構図、好きだなあ♪

■『キリマンジャロ機』(ブラッドベリ)
以下、こちらも説明メモで。

説明メモ#1

説明メモ#1


(どういう流れだったんだろうか。なぜか)オスカー・ワイルドの話も少し。
説明メモ#2

説明メモ#2 タイムマシンでほんのちょっと20年前へ。

その他にも、モトキさん手作りのトラベラーズの話とか。
映画の話、ミニシアターそのものの話も。
トラベラーズファクトリーの話も、あの記事で書き切れなかったことを少し。
(おじさんが高知のひとだったとか、カスタマイズの話とか)

■2日目もお約束。「積みましょう」Notebook&booktower

Notebook&booktower#1

Notebook&booktower#1

もいっちょ。

Notebook&booktower#2

Notebook&booktower#2 コーヒーを飲むか、積むか、どっちかにしなさい。

モトキさんは「自分の本の紹介は5分で終わるよ!」とずっと言っていたんですが、…や、1時間くらいやっぱりすぐに経ちました。
『好きな本について、たっぷり1時間語る』ことは、日常あまりないことなので、他の方も、「すごくしゃべったー!」と言って頂けました。
ホントに読書会開いて良かった。ホントに良かった。
それが異種格闘技暫定王者決定戦のようなラインナップでも。むしろその方が良いよね、面白いよね、と。
本当にお二人とも、ありがとうございます(正座)。
後、本当に嬉しかったのが四人全員に「次回もぜひ!」と言って頂けたこと。
じ、次回はもう少し、持ってくる本を制限しますので、や、す、少しは選ぶのが楽になるように…!

えー。
ワタシが超愛しているローレンス・ブロックという作家さんがいるんですが。
この方の『巨匠の選択』という、ちょっと変わった短編集がありまして。
現代ミステリのいわゆる巨匠と呼ばれている作家さんに声を掛けて、「自分の作品で一番気に入っている一本」と「これを自分が書いていたらなあああ!と思う他作家さんの一本」を選んでもらい、それをまとめたものです。
ブロックがあとがきで「今まで出版してきた本の中で、こんなに楽な仕事はない。自分がするのは、作家の選出と、作品を二本選ぶだけ。それだけですばらしい本が出来上がる」と書いていまして。
読書会もコレに通じるなあ。ワタシがやってるのはお店の予約だけだもんなー、それだけで、こんなすばらしい企画になり、すごく楽しい。

や、やっぱり本を読むことが好きで良かったなあ、とすごく思いました。
自分が好きで読んでいるジャンル以外のものを紹介してもらうのも、すごく刺激になる。
他のジャンル、知らない作家さんの作品も読んでみたい、と幅が広がる。
「知らないことを知るのは楽しい」
今回、1日目にこの言葉が縫子さんの好きポイントとして挙げられたんですが、本を読むことの根っこってコレかも知れないなあ。

改めまして。
参加して頂いた四人の方、
そして告知ツイートをリツイートをしてバックアップして下さった皆様、
山田文具店に連れて行って下さったちい(@chii_nakanaka)さん(関西より思いっきり手を振る)、
そして、ワタシの尊敬する二人のNotebookersに、
心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

最後に。読書関係で好きな言葉を。
『読書とは、無数の星のなかから好きな星を選び取って自分だけの星座をつくる行為に似ている』

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Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

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