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Notebookers第1.17回 読書会レポート

Posted on 30 4月 2012 by

々、幾夜も空が白み始めるまで夜どおし雪深い山の中でした読書、まっぴるまのパンプロナでした読書、あるいはまたフロリダ沖のボートの上や渓流のほとりでした読書———

Notebookers 第1.17回読書会レポートです。
今回もほんっっっとーに楽しかった。やー、すっっっごく面白かった!

Notebookers読書会。
本好きノートブック好きが集まって、自分の好きな本について語ろう、というそれだけの会なんですが、これがひじょーに楽しく。3月に続き、4月21日(土)にまた集まりまして。

今回、四名参加で、やはり掠りもしないラインナップでした。
ちあきさん(@chiaquizas)さん『アナログ?デジタル?ピンポーン!』&『おとうさんとぼく!』
後藤(@fountain_p)さん『レンズマンシリーズ』(EEスミス)
みなと(@minato_nozomu)さん『中国帝王図』(文:田中芳樹 他 画:皇なつき)
ワタシ@せら(@Treasure_Table)『モンテ=クリスト伯』(Aデュマ)

前回、参加者さんの「本が決まらない〜」という声があったので、例えば「小説に限る」とか「○年以降の本を」とか、多少は制限しようかなーとか思っていたのですが、「制限しなくていい、悩みに悩んで持って来た本でないと1時間は語れないから」との助言を頂き。 そして、放っておいても(ひどい)きっと面白い本を持って来てくれるよね、という参加者さんたちへの(丸投げな)信頼を基に、今回も特に制限しませんでした。
その結果が上記のラインナップであります。

今回の話す順番は、誕生日順でした(それも降順)。

ですが、その前に。
まずは、積む(本を)。

booktower

てっぺんのスカイツリーペットボトルはごとーさんのおみやげ

お品書き。

ラインナップ

今回のお品書きは todoリスト

一番手 ちあきさん(@chiaquizas)さん
『アナログ?デジタル?ピンポーン!』(文:野崎明弘 画:タイガー立石)
月刊の子供雑誌というのかな、シリーズになっているその1冊です。
とにかく絵が独特で、子供向け? やー、オトナも楽しめるようなそんな絵で、内容としては、どこからどこまでがアナログ?デジタル? ということをわかりやすーく説明しています。
このイラストレーターさんは、ペンローズの三角形が好きらしい。見開きに必ずひとつ描かれていて、それを探すのもまた楽しい♪

ちあきさん的好きポイント
1)絵。色が特徴的で、リアルなのに鬼。 (このイラストレーターさんが好きなんだそうです

映画おじさん@鬼vr.

もうとにかく細かく描き込まれていてすごい!

えー、何か見覚えのある映画おじさんですが(それも鬼Vr.)。
どのページも「コレが主になる色」がなく、たくさん色を使っているんですが、程良いごちゃっと加減で、見ていて楽しかったです♪
「AとB、Aがアナログ、Bがデジタル」 と、このパターンをひたすら繰り返し、説明を少しだけ入れているんですが、この説明がすごく効いている。

読めるかな?

映画おじさん2

「こまかに見ればデジタル、ふつうに見ればアナログ」

「映画を見ていると、うつっている人や車のうごきはなめらかで、アナログといってもいい。でもフィルムを見ると、うごきかたはじつはとびとびのデジタルです。」
「こまかに見ればデジタル、ふつうに見ればアナログ。ピンポーン!」

この他にも、時計や電話、ファクス、雨などの自然現象なども、デジタルとアナログに分けて説明していて、科学雑誌?とも楽しい絵本とも取れる、そんな一冊。
デジタルとアナログ、どちらが良いとか、優れているとか、ではなく。
「デジタルとアナログ、君はどっちが好き?」と〆ていて、更に、デジアナ派、アナデジ派、まで選択肢が用意されていて、「どれもいいよね」と、小さい子に選ばせる、そういうラストでした。

ちあきさん持参の本、もう一組。
『おとうさんとぼく』(EOプラウエン)2冊
プラウエンはドイツの風刺画家。
新聞連載だったのかな、えー、見開きに6コマほどのマンガの本です。 殆ど字がない。そもそも台詞がない。看板とか、そーゆーものにちょこっとだけ。
見てびっくりしたのが、古ーいタイプのサザエさんにすごく似ている。
聞いてみたところ、1930年代後半から1940年代前半くらいの作品だそうで。

ちあきさん的好きポイント
1)一緒に遊んでくれるお父さんいいな
2)ラスト!すごく切ない!

お誕生日

おとうさんの服に注目〜

コレ、ぼくのお誕生日のようです。
で、お父さんはぼくとぼくの友達と、本気で遊んでいる。
どのくらい本気かとゆーと、最後のコマで服が破れているくらい本気。
「こんな風に、本気で一緒に遊んでくれるお父さんいいな」だそうです。

6コマ目

見えるかな?おとうさんの服

くだんのラストシーン。 えー、おとうさんとぼく、月?星?太陽?とにかく空へと去って行きます。 「これが切なかった」とのこと。 そして最後のコマ。この月は、お父さんなのか、また別のひと、存在なのか。とか。

最終回

「みなさん、さようなら」

プラウエンは、反ナチスの立場で『かの』ケストナーとも親交があったようで、そういうヒト。
ナチスにとって要注意人物として当局に逮捕され、獄中?収容所で自殺するらしいのですが、ちゃんとこうして最終回がある、ということは、そうなることを見越して終わらせたのか、とか、そういう話も少し。
お父さんが子供と一緒に全力で遊ぶ、というのは、ナチスの理想、目指すところとは真逆のはず。
それを子供向け読み物にして描き続けた。プラウエンが『伝えたかったこと』

両方ともちあきさんが小さい頃に読んだ本で、今でも大切にしているそうで。
えー、本のあちこちに、ご幼少のみぎりのちあきさんが名前を書いていたりして、…いいなあ、もうずっと捨てずに手元に置いてた本なんだなあ、と。

共通しているのは『(本来)難しいことをどうやって絵(と少々の文字)で伝えるか』かな?

(ココだけの話ですが)(って、記事に書いてココだけの話もないものですが)(この時点で、ワタシ、「ほらー、ダイジョウブじゃないー、やっぱり本のセレクトはお任せして丸投げしても、全然ダイジョブ!」と心の中ですごく思ってました)

二番手 関東からご参加頂きました。ありがとうございます。
後藤(@fountain_p)さん
『レンズマンシリーズ』(EEスミス 小隅黎訳)
新訳ではなく、旧訳の小西宏版が良かったんだけどー、などありまして。

1930年代から50年代にかけての5冊を持ってきて頂きまして。
いわゆるスペースオペラ、一大銀河系クロニクルです。

ごとーさんの好きポイント

1)『思考せよ』
現在、新訳と旧訳があるそうなんですが、今回持って来られたのは新訳本で、こちらの版では「考えよ」、ホントは旧訳の「思考せよ」がイイそうです。そしてダブルミーニングで、この「考える」ということそのもの。
『善』側と『悪』側、技術力等に差はなく、唯一の差が『善は思考する』『悪は思考しない』だそうで。 ですが、『悪』側も『悪』なりに世界が出来ていたりして…。

2)『自分で気づいたことは身につく。教えてもらったことでは忘れる』
作品世界をざっくり(ランボーに)説明すると。
銀河文明圏VSエッドール人、が、ずっと長い間闘っている。銀河文明圏の背景には(より高次元の)アリシア人がいて、銀河文明圏を教え導いているんですが、これがあまり親切に教えてくれないそうで。
なぜかとゆーと、この2)だから、らしい。だからコレもまた「思考せよ」に繋がる?
アリシア人の立場としては『教えることは教えるけど、教え過ぎることによって、銀河文明圏がアリシア人っぽくなっても困る』と、徹底的に『自分で考えろ』というトコロに落ち着くように書かれているようで。
後藤さんはコレを定期的に読み返して、自分の中に入れ直しているそうです。

なので、作品世界の誰それが好き、というのではなく、作品世界の土台となる考え方、アリシア人の銀河文明圏に対するスタンス、が好き、ということでいいのかな…。

第二段階レンズマン

注目して頂きたい右手の付箋

(個人的に)すごいなー!と思ったのが、書かれたのがこの年代なのに、単純な善悪の戦いではなく、そして主人公もパーフェクトないわゆるスーパーマンではなく、未熟だったり、手抜かりがあったり、間違えたりする。 更に、レンズマンであるための資格が『「自分の考えだけが正しいとは限らない」と考えられること』という、何かもう、本当に『思考せよ』、視野を広げろ、と言われているような。

時代を経て、作品が残っているということは、それが「面白いから」に他ならないんですが、コレは残るだろう、後50年くらいならヘーキで残るだろう、そう思う、そんな作品でした。

三番手 みなと(@minato_nozomu)さん
『中国帝王図』(文:田中芳樹 他 画:皇なつき)
みなとさんは今回もたくさん持ってきて頂き、陳寿の書いた三国正史とか、漢詩紀行とか、パラレル三国志『スペース三国志』などなど。

えー、漫画家の皇なつきさんが絵を描き、中国史作品をよく書いている作家さんたちが文章を書く、という一冊。

みなとさんの好きポイント
1)三国志の三人絵

三人の皇帝

天下三分の計(言ってみたかったんですすみませんごめんなさい)

三国鼎立時代ですので、三人なんですが、これがちゃんと中国を三分割したその通りに皇帝三人が絵に配置されているという、うわー、カッコイイー!

2)エピソードの豊富さ
亡国の皇帝に特に力が入っているトコロ。
そして、歴史的にはばか殿という評価をされている皇帝でも、実はこんな良い話が、と、そういうエピソードも丁寧に書かれているトコロ。

例えば、晋(しん)の恵帝は、(約)15世紀早かったアントワネット様で「米がなければ、肉を食べれば良い」と言ったばか殿らしいのですが、暗殺者に襲われ、大臣のひとりが恵帝を護って殺された時、衣服に着いた血を「これは忠臣の血だから洗うな」と他の大臣に命じたとか。
ばか殿であっても、こういうエピソードがあった、と、丁寧に拾っているトコロなど。

みなとさんは、三国志(陳寿著!!)も持って来てくれていまして。
いわゆる物語の三国志ではなく、歴史書です。陳寿とゆー、三国志の蜀〜晋にかけての歴史家が書いたもの。
これがほんとーに楽しい史書で、もう、ほんとーに中国人そんなに三国時代が好きかそうか、というくらいで。
時代の政治的しがらみ等で、陳寿としては、ごくごくシンプルにしか記せなかった三国時代。
それを後世の 三国時代ファン 歴史家たちが、「俺はこう思う」「いや、それは違う」と、三国志に注釈を付け足し付け足し、フェイスブックやインスタグラムのリアル書込み『いいね!』状態となっていて、本編よりも注釈の方が多いとか、その注釈内で喧嘩してるとか、そんな史書。

「せっかく本を買って読むのだから、それならたくさん情報があった方がいい、知らないエピソードが入っている方がいい」という話をしていまして。
歴史的しがらみで、記録をあまり残せなかった三国志、これを踏まえると、2)とか、この話↑とか、なるほどなー、と思いました。

『記録する』

Notebookers も記録ダイスキですが、こういう観点から見ると、…記録する=残す、イコールじゃないとしても、記録する ≒ 残す やっぱり大事なことなんだなーと。

もう一冊『スペース三国志』という舞台を宇宙に移した作品も。
もうね、ホントにね!黄巾軍がイエローキャップですよ!
宇宙を舞台にしてまで、まだ彼らを動かしたい、活躍させたい、というのは、…三国志、愛されてるなあ。

他、『阿片戦争』(陳舜臣著)『NHK漢詩紀行』なども少し。

この辺りで、カフェ的にタイムアップになりまして。場所を変えて。

おまけ ワタシ@せら(@Treasure_Table
『モンテ=クリスト伯』(Aデュマ)
物語を読むことが楽しい、と知った原点的作品。

好きポイント
1)復讐譚、でも好きなトコロは恩返し話。
モンテ=クリスト伯、巌窟王、復讐譚、冤罪話の代名詞ですが、ワタシ的ツボは、それでも昔お世話になったひとへの恩返し話。

nophoto

現場で写真を撮らなかったの

えー。 今回、ノートブックにまとめて、こちらに記事として書いていて思ったのですが。
読書会とか言いつつ、…どうだろう、その実、「今、自分はこういうことを考えています」「こういうことに興味を持って、こういう方向へ向かおうとしています」という発表会なのかも知れない。
持って来てもらう本はとくに制限がなくて、好きな本、語りたい本を持って来てもらっているんですが、その本は、確実にその人、その人の状態を表している、気がする。
好きなポイントは、考えていることの答えであり、方向性であり、そのひとの軸であり。
ひょっとして、読書会、すごい会なのかも知れない。
(や、すごいのは参加者さんたちでワタシではないですが)

紙に印刷されたインクの染みが、ひとを動かす、進路を示す、その染みの一部を『軸』とさせる。
アレだ、前回のトップに書いたコレ>『書物とは忘れ去ってしまうには惜しい事物を保存しておくための道具で、書物自体には、なんら魔術的なものは存在しておらん。魔術的なものがあるのは、書物が語っておるその内容です』

notebooktower

やはり積む(ノートブックを)

皆様、お時間が合いましたら、地理的にお近くであれば、ぜひ読書会ご参加くださいませ。
えー、1時間ぎっちり、好きな本について、今考えていること、軸となっていること、そういうことを話しに来て下さい。参加、お待ちしております♪

そして、前回と同じ挨拶になりますが。
参加して頂いたお三方、
告知ツイートをリツイート等して下さった皆様、
ワタシの尊敬する二人のNotebookersに、
心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

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Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

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