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My favorite Xmas movie #2 & #3

Posted on 14 12月 2012 by

2週目と3週目がひとつの記事になってまいました…。
待降節2週目と3週目の映画です。

本目は、ノルウェイの映画から『クリスマスのその夜に』
2010年作、監督は『キッチンストーリー』を手掛けたベント・ハーメル。
5つの物語がクリスマス当日に並行して起こります。

クリスマスのその夜に

オーロラが見えるクリスマス

ひとつめは『故郷へ帰りたかった元サッカー選手』の話、
ふたつめは『モスリムの女の子とクリスマスを祝わないクリスチャンの男の子』の話、
みっつめは『子供に会いたかったお父さん』の話、
よっつめは『コソボから亡命して来た若い夫婦とその夜に生まれた赤ちゃん』の話、
いつつめは『ふたりの女性の赤いスカーフ』の話、です。

ワタシが一番好きなのは、やっぱりよっつめかなあ。
『コソボから亡命して来た若い夫婦と赤ちゃん』の話。
ちょこっとネタバレっぽくなるかもしれないので白文字に>>

実はこのエピソードが、オープニングとエンディングを締める、映画の軸になっております。
クリスマス映画らしからぬ冒頭で、子供を狙っている狙撃手のシーンから始まります。
この狙撃手は、ものすごく逡巡して、結局子供を撃たないのですが。
その狙撃手が、その夜、まさに赤ちゃんを産もうとしているお母さん。

難産だったんですが、無事、赤ちゃんが生まれます。
そんで、赤ちゃんを取り上げたドクターが「国には帰れないのか」とお父さんに尋ねます。
「帰ったら殺される」とお父さんが答え、
「誰に?」
と、続きます。
この、「誰に殺されるか」この返答が、もうものすごく辛い答えです。
お父さんがアルバニア人でお母さんがセルビア人、対立するふたつの民族の子が、クリスマスに生まれる…
象徴的だなあ、この一連のシークエンスは、非常に切ないですが清々しいです。

真夜中から明け方にかけての雪原のシーンがあります。
当然ながら、クリスマスの飾りなどは何もなくて、ただ雪だけ、そしてオーロラが見えます。
(きっと)ものすごく寒そう、それだけなんですが、ああ、きっと最初のクリスマスって、こんな夜
だったんだろうなー、と。

☆ ☆ ☆

週目のクリスマス映画。
『クリスマスストーリー』こちらはフランス映画。
アルノー・デプレシャン監督。2008年制作。

クリスマスストーリー

クリスマスの群像劇


クリスマス前に、お母さんにとある病気が見つかり、そのドナーの話とクリスマスの話が並行して進みます。
これまた人物の多い映画で
どっしり優しいお父さん、
存在感アリアリのビッグママ、
長男と折り合いが悪い、しっかり者のお姉さん、
 お姉さんの夫と息子、
長男@放蕩息子、
 その彼女、
いつもニコニコ愛されてる末っ子次男、
 次男の奥さんと子供、
次男と仲がイイ従兄弟、
と、これだけ出て来ます。
これだけ出て来て、ひとりひとりの背景にくっきりはっきりドラマがアリ。

実家であるお父さんとお母さんの家に、お姉さんと弟二人が帰って来て、クリスマスの準備をする…、その家の中の飾り付けとか、買出しとか、「待降節♪」の空気がすっごくイイ!

すごく印象的なのが、放蕩息子とそのカノジョ。
カノジョはユダヤ系なので、クリスマスを祝いません。
プレゼントも、貰うことも贈ることも、かたくなに拒否します。
手伝いはするけれど、祝うこと自体は、きっぱり「しません」と言い切る。
じゃあ、何をしに来たんだと言う話なんですが、この部分だけ取り上げても、ものすごく質のいい短編ミステリになりそうな気が。
放蕩息子がカノジョを送っていくシーン、すごくイイです。

ラストシーンがまたお見事!でした。
これ、映画館で見たんですが、コイントスのシーン、もうフランスは、SF映画とか、「見たことのない驚愕の映像!」とか作んなくていいから、これからもずっとこーゆー映画を作っていて下さい、と、祈るような思いで見ていたような。

☆ ☆ ☆

一週目の記事はコチラ
実は今年のアタマに記事を書いていた『クリスマスのその夜に』

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Profile: あなたと一緒に歩く時は、ぼくはいつもボタンに花をつけているような感じがします。

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