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マグロと感覚ホムンクルス タカヤ・モレカウ

Posted on 09 9月 2004 by

「マグロを押してしまうこと」
これは僕がスーパーにてぼんやりと過ごすときに必ずといっていいほど、僕を誘惑させる行為だ。指で押され、致命的に引っ込んだマグロの表面を見ながら、雨上がりの泥炭をくすぐるようなこの感覚を味わうのはまさにエロチックでもある。女性の肌の弾力を確かめるようなその禁断の行為に背徳の匂いがする。少なからずとも皆スーパーではその誘惑にかられていると思う。他にもボンレスハムやら、和牛ステーキなども誘惑が多い。
このことは何か重要な関わりがあると思われるので考えてみた。
皆さんは「感覚ホムンクルス」といったものをご存知だろうか?本来ホムンクルスとは古来より体の中に住む小人の意味があった。これは何かというと、人間の感覚を全て感覚の強さに比例してイメージ化し人間の形にすると、「手」と「口」と「目」が体全体のパーツにくらべ非常に大きい人間となってしまうのだ。
人間が強く感じたいと思うとき僕らがメインで使うパーツは主に「手」と「口」とのこと。お気づきの方はわかるかもしれないが、これが頻著に現れるのは「SEX」である。相手を強く感じたいと思ったらチューして手でモミモミしたいのは誰もがそうなのさ。実をいうと「手」や「口」に比べれば「目」は感覚の中では弱い方なのだ。
さて話を元に戻すと僕はスーパーでマグロを見るともう押さずにはいられない。ホタテが口を開けていても、その白くなまめかしい姿をさらけ出していたら、チョコンと押してやってヒュっと引っ込む姿を見ているだけで、もうエクスタシー。
たとえばうちのベーシストことアラキにもそれは頻著に現れる傾向なのだが、好奇心を持ったものは必ず触って確認してしまうという傾向がある。
実証として、まったくその辺にあるような植木鉢の植物を「これみんなで触ってたらアラキも触るかなぁ」と憶測し、皆で触っていたところ、後から遅れてやってきたアラキはわしづかみにして大爆笑となった記憶はまだ新しいところである。
いってしまえば、相手(マグロ)を理解するために僕やらアラキは感覚を発端として行動するタイプなのだ。
「これはなんだ?」→つかむ
「おおやわらかそうだ」→もむ
「いいケツだ」→やっぱりもむ
日本人は下手な方かもしれないが、スキンシップといったいい言葉がある。落ち込んでいる人の肩に手を置く。横断歩道でおばあさんの手を引いてあげる。よいこのあたまをなでてやる。恋人をハグする。マグロを押す。
僕は僕なりに自分を取り囲む世界を触覚を使って確かめているらしい。
だけどさ、押されたマグロって買う気にならんよね。

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Profile: Notebookers.jpの管理人。Twitter: @blanq  狩猟者でヒッピー。通称: 「モレカウ」。240人ちょいのライターによるノートブックユーザーのサイト (link: http://Notebookers.jp) Notebookers.jp 管理人。モレスキンについてたぶん世界一つぶやいた男。著作:ダイヤモンド社『モレスキン 人生を入れる61の使い方』。世界の果てと地平線をこよなく愛してる。「俺も好きにするから君も好きにしなさい」という感じで生きています。愛読書はリチャード・バックの「イリュージョン」と「カモメのジョナサン」、ヴェルヌの「海底二万里」。永遠のヒーローはAndy Warhol

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