明日、12月15日(日)、クリスマス、アドベント3週目です。
3週目は、えー、ケーキ、食べ物にするか、ツリーにするか、ディケンズの『クリスマスキャロル』にするか、シーベリィ クインの『道』にするか、と、もう、迷いまくって木曜日、ようやく決めました。
3週目は『クリスマスの手紙、カードについて』です。
Notebookers ダイスキ紙モノ! の、クリスマスデザインのハガキやカードなど、そういったものでひととやりとりをするのが始まったのはいつ?、クリスマスの手紙とか、そのあたりを書こうと思います。
(ちなみに、ワタシ、2、3年前ですが。ステキクリスマスカードをたくさん買い込み、浮かれたあまり、アドベントの日曜日ごとに友人3人ほどに送りまして。その友人以外の友人にも、通常通り、クリスマスに着くように送り。えー、合計20通足らず送ったため、郵便物を書こうとする気勢を12月24日までに使い果たしまして、その年の年賀状はサンタンたるものとなりました。)
(さらにゆーと、えー、この年ほどでもないですが、ほぼ毎年、えー、クリスマスカードを送ることに12月中の『郵便物を書くイキオイ』を使い果たしてしまうので、ワタシは、年賀状はものすごく申し訳ないことになっています…)
えー、では。ワタシのクリスマスカード事情ではなく。
クリスマスカードの始まりから〜。
■クリスマスの詩
15世紀頃、ドイツ、フランスのあたりで、各家庭で、子どもさんが、じーちゃんばーちゃん、そして両親に新年の挨拶を詩にして贈るという習慣がありました。
その1年、自分を育ててくれたことに感謝し、新年がじーちゃんばーちゃん(ry にとって良い年になることを願い、その思いを込めた詩を書いていたそうです。
そして17世紀頃から、家庭でもクリスマスが祝われるようになり、新年の挨拶の詩は、次第にクリスマスに贈られるように変わっていきます。
さらに18世紀後半、ドイツのハンブルグの印刷業者が、この詩を書くための専用紙を発売。
これにはサンタクロースや、花、宗教的モチーフなどが印刷されていて、これがクリスマスカードの前身とされています。
北・北東ドイツの裕福なおうちで、この専用紙がものすごく流行したそうです。
12月24日の夜に、詩を書いたこの専用紙を両親に贈り、その詩を暗唱する、『書き方』の成果を両親に示す、ということらしいです。
『書き方』というのは、文法がきちんとなっているか、スペルは正しいかと、そういったものかと。
この両親へ贈る詩は『クリスマスの詩』と呼ばれ、19世紀になると、このあたり、北・北東ドイツでは学校の授業にも取り入れ、その詩の書き方を解説した本も出版されました。
リトグラフやカラー写真技術が発達し、綺麗な印刷物が大量に生産できるようになり、こういったハガキを、季節の行事ごと、クリスマスや誕生カード、イースターのお祝いなどとして贈ることが流行したそうです。
この頃は、絵が描かれている面にメッセージを書き、その裏に相手の住所、氏名などを書くのが普通だったんだそうです。
絵の隅に、1、2行、メッセージを書けば、それなりにカタチになり、気軽に送ることができたんだろうな、と思われます。
現代の手紙の書き方本などでも、絵ハガキであれば、宛名面の半分に少し書けばいいので、手紙初心者にはオススメ、と書かれていたような。
えー、やはりそういった『手紙を送る』こと、そのハードルの高さは、時代や国が違っても近いのかなー、そして絵ハガキに助けてもらうことも同じなんだなー、と。
(ちなみに、絵が書かれていない面の半分に宛先、もう半分にメッセージを書くようになったのは20世紀初め頃から)
(つまり19世紀の100年間くらいは、絵のそばに添えるようにして1、2行書けばオッケー!な時代だった、のかな)
ですが、子供たちは、カードに1、2行書けばオッケー! とはいかず、楽しんで書いていたわけではなさそうです。まず詩を作らないといけない。そして、クリスマスの詩の専用紙は高価だったため、それに間違えないようにインクで詩を書くというのは、子どもにはプレッシャーだったとか。
この習慣は、世界大恐慌が起こるまで続いたそうです。
■クリスマスカードの始まりなど
世界初のクリスマスカードは、19世紀、イギリスのヘンリー コールにより発売されました。
コールは、ジョン カルコット ホースレイにデザインを依頼し、このために『コール・ホースレイカード』と呼ばれ、1000枚ほど発売されたそうです。
12枚が現存していて、90年代にその1枚が、ロンドンのオークションに出品され、かなりの高額で取り引きされたとか。
アメリカの場合。
初めて、クリスマスカードが販売されたのは、1875年、ドイツ人の印刷業者ルイス プラングによるものです。
ドイツ製のカードは、品質が良かったのでしょうか、19世紀末から第二次大戦が終わるまで、ヨーロッパ各国で販売されたそうです。
■クリストキンデル郵便局
クリスマスに手紙、というと、オトナはともかく、ちいさいおともだちはサンタクロースへ「プレゼントはこれをください!」という積極的なPR活動の手段だと考えているのでは、と。
ですが、多分、Notebookers も欲しいものはたくさんあると思われますので、「サンタさん!あたし、今年一年イイコだったから、木軸黒檀加賀高蒔絵万年筆(楼閣山水)ください!」とか「ぼくもイイコにしてました!ライカM モノクロームください!」とか、サンタさんにイイコ申請したい向きは、宛先はコチラ>
Mr. Santa Claus
Santa Claus Main Post Office,
FI-96930 Arctic Circle
FINLAND
公式サイト:http://www.santaclausvillage.info/santa-claus/santa-claus-main-post-office/
カナダでもサンタクロースの手紙を受け付けているそうです。
アドレスは>
To Santa Claus
North Pole H0H 0H0
Canada
サンタクロースの言葉 “HOHOHO” が住所になっているあたり、微笑ましい♪
こちらは、どこの言葉(点字も含める)で手紙を書いても、その言葉で返事をもらえるんだそうです。
多民族国家のカナダらしいなあ。
そして、返信用切手等は、子供たちのリテラシーを育てるために不要、とのことです。
公式サイト:http://www.canadapost.ca/cpo/mc/personal/support/helpcentre/sending/letter_to_santa.jsf
そして。
ヨーロッパのドイツ語圏の子どもたちには、もうひとつ、クリスマスに手紙を送る宛先がありまして。オーストリアの工業都市シュタイヤーという街のクリストキンデル特別郵便局のアドレスです。
(ドイツ語で幼子イエスが『クリストキント』、クリストキンデルは、そのオーストリア訛りの読みだそうです)
2週目の記事に書きましたが。
ルターの宗教改革で、偶像崇拝が禁止になり、それまで子供たちにプレゼントを持って来てくれた聖ニコラウスのお祭りもやめることになります。
ですが、小さい子が楽しみにしているお祭りをなくしてしまうのはかわいそうだということで、プロテスタント側は、『プレゼントをあげたいというキモチの幼子イエス、実際にあげるのは、そのおつきの天使』という苦肉の策を打ち出します。
それが。
コレはプロテスタントの苦肉の策だったのに、カトリック側が(なぜか)まるっと取り入れて、12月6日は聖ニコラウスがお菓子をくれる日、24日は幼子イエスがおもちゃや本をくれる日、として子供たちが楽しみにするようになりました。
現在でも、南ドイツ、オーストリアなどのカトリック教徒の多い地域では『幼子キリストがプレゼントを持ってきてくれる』という言い回しをするそうです。
その幼子キリストへの手紙が、世界中から、この特別郵便局に送られてくるのだそうです。
では、なぜ、シュタイヤーのクリストキンデルに、手紙が送られるようになったかというと。
17世紀、シュタイヤーにセルテルという病弱なひとがいました。
セルテルは、幼子キリストの人形をモミの木に収め、そのモミの木に通い、病気が治りますようにと祈り続け。やがて、セルテルは健康になり、その話を聞いたひとびとが、そのモミの木のキリスト像を拝みに来るようになり、その場所を幼子キリスト、クリストキンデルと呼ぶようになったそうです。
そうするうちに、クリストキンデルという可愛い地名に引き寄せられたのか、クリスマスに子供たちから手紙がくるようになり、1950年にはオーストリア郵政省が特別郵便局を設置しました。
設置した最初の年で4万2千通、現在では200万通を越える手紙がくるそうです。
いいなあ、と思うのが、各国郵便局の理解。
子どもが書く手紙なので、宛名が、その、やや(かなり)フリーダムで、『幼子キリストさま』『天国のてんしさま』と だけ 書かれた手紙も多いそうです。
ですが、ヨーロッパでは、とても有名、というか、クリスマスの頃に、てんしさま、おさなごいえすさま、に宛てた手紙であれば、どこの国の郵便局員も「あー、クリストキンデル宛かー」と、わかって、配達してくれるとか。
(いいなあ、こういうのダイスキー!)
返事も来るそうです。毎年、図柄が違うのでコレクションしているひともいて、200万通のうち40万通がコレクターからの手紙だとか。
その返事は印刷されたものですが、「天国にいるおかあさんが元気かどうか、教えてください」というような手紙、また、子どもではなく、お年寄りからの手紙などには、局長さんが個人的に返事を書くこともあるんだそうです。
「幼子キリストにお願いすれば、何でも悩みを解決できる、と、子供たちに信じさせるようなことはしたくない。しかし、本当に救いを求めているひとに対して、何か自分にできることをしたいと思う」とのこと。
ニコラウス司教のエピソード、
ディケンズがクリスマスキャロルを書き、
若草物語で、四姉妹がクリスマスの朝食を困っているご近所の家族に持っていったこと、
オースターのナショナルストーリープロジェクト、
その他にも、たくさんの物語、実際にあった出来事、
『困っているひとに対して、何か自分にできることを』
ディケンズが書いた『クリスマスの精神』がまさにこれかと。
クリストキンデル郵便局住所:Sonderpostamt Christkindl A-4411 Steyr, Austria/Europe
公式サイト http://www.christkindl.at
(トップページが、ものすっごく綺麗です♪『これぞオーストリア!』というカンジで)
(時間によって背景が変わります。すごいー!)
期間限定です。11月29日から1月6日(月)まで。
受取人の住所と氏名を書いたカード等に、国際返信切手券2枚を同封して送れば、クリストキンデル郵便局の特製スタンプを押して送ってもらえるようです。
■おまけ:ユニセフのクリスマスカード
ユニセフでもクリスマスカードの販売をしています。
購入すると、その約50%がユニセフの活動資金として役立てられます。
公式サイト:https://www2.unicef.or.jp/card/cardtop.html
サイトから通販もできますが、ロフトなどのお店でも販売されていて、よく見かけます。
デザインもシンプルクールなものから、カワイイものからたくさんありますよー。
■おまけ2:クリスマスの切手
左下の切手は『クリスマスキャロル』のボブクラチットとその息子ティム、それもクウェンティンブレイクのイラスト。たからもの。
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4週目は、もう。
だってクリスマスだし、ワタシだし。