久しぶりに鉛筆やシャープペンシルで文字が書きたくなった。
職場ではなじみのある筆記用具だけど、自分のノートブックには専ら万年筆かボールペンを使っている。
シャープペンシルはなかなか手になじむものがなかったが、偶然使ってみたものがとてもしっくりきたので、メーカーを覚えて先日色違いを3本も買ってしまった。
仕事で使おうかと思っていたが、今使っている榛原ノートの書いてみると、なかなか具合がいい。
学生の頃の授業の板書写しを思い出す。あるいは宿題。
今でこそ高いノートブックを使うようになったが、それまでは比較的安価で楽しいノートブックを使っていた。
中でもエトランジェ・ディ・コスタリカのダブルリングノート(B6)が大のお気に入り。好きすぎて、スペイン巡礼のお供もモレスキンではなく、このノートブックにした。
表紙が発色のよい樹脂のシートで、気分によって色を選んでいた。
小ぶりだけど、広々スペース。たっぷり100シート。
それだから1冊を半年以上もかけて使っていたので、たまに早く新しいノートブックが使いたくなって、身悶えしていた(内容は日記のような日誌のような。あるいは心に浮かぶよしなしごと)。
表紙をめくったら、どれも薄いグレーの横罫なのにね。
これにシャープペンシルでカリカリ書き込むのが、とても好きだった。
SNSがなかったから、「つぶやき」はすべてノートブックの書いていたのかもしれない。
榛原ノートに書き込んでみると、コスタリカのノートに書いていた手の感触も思い出し、うっとり。
万年筆やボールペンのときより、微妙に引っかかりが多く「書いている」という実感がわきやすい。
昨年末、ほぼ全編鉛筆かシャープペンシルで書かれたノートブックを2冊見た。
1冊はモレスキンに美しく整理して書かれた勉強のノート。
もう1冊は絵だけで描かれた物語のような日記のノート。
それがずっと忘れられずにいたような気がしている。
それで、私もシャープペンシルで文字が書きたくなったのかも。
もっと言えば、鉛筆でごりごり書きたいのだけど、うちには鉛筆削りがなくて、カッターで削る。
ずっと鉛筆削りはなくて、小学生の頃に仕込まれたのにちっともうまくなってなくて、芯が平べったく削れてしまう。
文字が安定して書けないし、どんどん書きたいのにいちいち削ったり、鉛筆を換えたりするのがいやで(せっかく湧き上がってきた「書きたいこと」がどこかへ消えてしまったり、気が削がれてしまう)、シャープペンシルを使っている。
手になじむシャープペンシルが見つかったから、よかったのだ。