ここ数年、黄金週間が終わり、緑が明るく透明感を持つものから少し濃さを増し、日の光がこれまでの春っぽいものではなくなったと感じる頃、私は夏ノートの準備を始めたくなる。
夏ノートは特別なノートではない。
ただ、浮かれた夏を一緒に過ごすノートのことだ。
今年はモレスキンのラージサイズにした。
春先に久しぶりにモレスキンのポケットサイズを使い始めたが、あの大きさは私にはちょうどよく、蜜月を過ごしている。
ただ、なんとなくもっと大きい紙面でぐいぐいと書きたいものだ、という思いから、ラージサイズにした。
どんなふうに使うかを考えるのも、楽しい。
まるでその年の手帳の使い方を考えるような感じだ。
「浮かれた夏」は「夏休み」のイメージなので、7,8月のスケジュール表を手書きで入れようか、とか、冒険のイメージがあるので、ムーミンとヒエログリフのマスキングテープを使おうか、とか、そんなことを考える。
あとは、「夏の野望」を書くページを作ろう。
普段の「野望リスト」はほぼ日手帳WEEKSのフリーページに書いているけれど、夏の野望は特別だ。
大恐竜展に行く。花火大会に行く。
なにか実験するのも楽しそうだし、わくわくする映画を見るのもよさそうだ。
忘れてはならないのは、去年、話題になったイタリア人教師の「夏の宿題リスト」を書き写すこと。
宿題はキライだけど、このリストはよかった。
好きなのは
素敵だなと思う人に出会ったら、できる限り心から丁寧にその人に伝えること
それから、ニヤリとしたのは、
太陽の光のように、幸せになること。海のように扱いにくいヤツとなること
シャープペンシルで書いているのは、去年見た、Moleskinerie.jpのサイトマスターのYokoさんのモレスキンが忘れられないからだ。
彼女がイギリスで勉強をしていたときのモレスキンは、シャープペンシルの細い線で、英語と日本語で細かく美しく書かれていたノートだった。
勉強のノートは書き殴るものだと思っていた私には、とても衝撃的だった。
あまりに美しくて、このまま本にして愛でたい、と思うほど。
それで自分もシャープペンシルで準備のページを書き込んでいる。
なかなか、書き心地はいい。
こうまでしているが、実際は夏は私にとって仕事として「1年で最も過酷な時期」であり、そう浮かれてもいられない。
毎年、「お仕事死闘編」と呼ぶ時期だけど、まったく休みがないわけでもないし、子どものときのようにアサガオを眺めたり、セミの抜け殻を取ったりしたいわけだ。
そんな私のバディとして、夏ノートと一緒に駆け抜けて行きたい。
■参考
あるイタリア人教師の出した、夏休みの宿題が素晴らしい。さあコンピューターから離れよう。