うるさいときには 耳をすます
無電技師のように 頭を垂れて
爆発の中に静寂を 聞き分ける
うるさいときには 耳をすます
鼓膜から意味までを 延長して
意味から感情までを 凍結する
うるさいときには 耳をすます
中心を二つ持つ 楕円の宇宙で
今の私にふさわしい 今を探す
うるさいときには 耳をすます
重ね合わされた 別の時空へと
流れ出るインクが 奏でる音色
うるさいときには 耳をすます
そうすると うるさくなくなる
(深淵)