生きていくことは餓えること とにかく辺りをうろつき回り 気になる匂いを嗅ぎつけたら 躊躇しないで取り込んでいく 拾ってるのはありふれた痕跡 この世がこの世であるという そのおおもとがこういう風に ごろごろごろごろしてるから 目的地なんて考えたことない ただただこの身を働かせたい 節制倹約とは真逆な貪欲さの ひたむきなモグラみたいな姿拾ったモノにこだわりはない ほこりをきちんと払い落とし 身体いっぱいに香りを楽しむ 嗅ぐだけで食べたりはしない 物にこだわると荷物が増える いろいろ抱えると面倒くさい 物が物である理由を見極めて その理由だけを沁み込ませる 自分もごろごろごろごろして 世界と自分が同じ匂いになり 何がどうしてこうなったかを なっとくできるまで拾い嗅ぐ (取捨)