なるほど確かに,人々はこの論争について「なんと不毛なことだろう」というだろう.好きな方を選べばいいじゃないか,というだろう.
しかし,”好きな方を選べばいい”というのは,問題を解決する方法としてはあまりにも醜い.ある種の”諦め”すら感じてしまう.(とかいいながら僕も多用するけれども!)
そもそも,このことについて論じようとしている時点で,僕は方眼/無地の好きな方を選ぶことができていないわけである.つまり,”好きな方を選べばいいじゃない”という助言は,僕にとっては無効なのだ.好きだという一時の感情に身を任せることはできない.僕がそうだということは,僕に少し似ているような人は,同じように感じていることだろう.
というわけで,方眼-無地のどちらがより優れているのか.今しばし,考えてみる必要が生じるわけである.
※罫線は個人的に苦手なので,ここでは省かれております.しかし,罫線一択の人にとってはそもそもこの論争自体が不問でしょう.
さて,前提から始めよう.僕は今まで,方眼ノート→無地ノート→方眼ノート→無地ノート,というように,方眼-無地をほぼ交互に繰り返してきた.
無地ノートを使っていては,方眼ノートがやっぱりいいな,と思い,方眼ノートを使っては,無地ノートの自由さにあこがれていたのである.
お互いにお互いが捨てがたい.これは一見すればとても素敵な関係であるけれども,安定を求める僕のような性分にはあわない.
早く,”ノート放浪の民”を終えて,それなりにサステイナブルな製品(輸入停止や廃盤なんかにならないもの)を使いながら,ひとところに落ち着きたい.そこでテオティワカン文明でも作りたい.
やっとサイズも落ち着いてきたので(B5が今のところは一番いい···か?),そうなると自然とチョイスも限られてくる.
無地か,方眼か,これを断定的に考えるのは,今とるべき動きとして適切なのだろう.
では今までされている議論とはどのようなものなのか.pros and cons.利点と欠点を挙げるのは,対照させるためにはいいだろう.
<<方眼ノートの利点>>
·縦横にまっすぐ書くことができる
·文字の大きさを一定に保つことができる
·整然とした印象を与えられる
·ノートに何かを貼るときに水平や平行などが取りやすい
·現在多くのノートで方眼スタイルがあるため,以前ほど悩まなくても済むようになった.
·オトナな雰囲気がある
<<方眼ノートの欠点>>
·もともとの字が大きいと,結局方眼に関係なく字を書いてしまい,汚く見える.
·絵や図,円形のものを書くときに苦労する.方眼の線が濃いとなおさら.
·線の濃さや太さなどがまちまちなので,ものによっては買ってから使いにくい,などが起こる
<<無地ノートの利点>>
·絵や図,ダイヤグラムなどを何の制限もなく書くことができる
·文字の大きさも自分の好みで変えられる
·線の太さなどに悩まなくていい.紙の色や書き味に集中できる.
·手もとにノートがなくても,その辺の紙が親しんだノート紙面と同じ構成.
·自由帳として幼少期から慣れ親しんでいる可能性がある.
<<無地ノートの欠点>>
·大きいノートになればなるほど,文字列が歪んでしまう : 方眼下敷きを使えば改善されるが···
·文字の大きさなどは,訓練しなければバラバラになってしまい,結果後で全体的に見直しにくくなってしまう
·貼るときに致命的なほどに曲がる.
今までの経験も照らし合わせていくと,特に絵や図を好まぬ人でない限り,無地ノートの方が利点が多いように思えてくる.
特に方眼ノートの罫線色問題は致命的だ.薫さんのこの記事にはその苦労?が如実に表れている.
モレスキン・スクエアード派の皆さまへ | Notebookers.jp : https://notebookers.jp/?p=36504
特に,無地ノートは入手性が高く,利用しやすい.無地ノートの非整然さを克服できれば,方眼ノートの必要性はぐっと減るのかもしれない.
ということで,次は無地ノートを使うことにした.
あ,また無地→方眼→無地→方眼に···
そしてノート流浪の民は続く···