監督:ベント・ハーメル
ノルウェイ発のクリスマスストーリィ。
【ゆるーくネタバレあり?】
えー、10か月と10日ほど早いクリスマスの話題です。
五つの物語が並行して進みます。
故郷に帰りたかった男の話。
子供たちに会いたいアルコール中毒の父親。
クリスマスを祝わないモスリムの女の子とその友達。
三人。スカーフの赤さが切なくなる二人。
この日に『親』になったセルビア人の夫とアルバニア人の妻、その赤ちゃんを取り上げた医師。
『ラブアクチュアリー』ノルウェイ版?とも思ったんですが、違いました。
これはノルウェイの『クリスマスのその夜に』です。
やっぱり好きなのは、赤ちゃん誕生エピソードかなあ。
夫が自分たちのことを医師に話すんですが、もうその一言一言が心を抉られるようでした。
コソボから来たという夫に、医師が帰れないのかと訊ねます。
「帰ったら殺される」
「誰に」
この答えがもうもう切なくて、辛くて、まだそういう状態の国があるんだ、と改めて思い知りました。
この映画も、以前書いた『SMOKE』と同じく、あまり起伏がないのですが、それでも、…例えば、心の内側のヒビ割れに、あたたかいお茶がすーっと染み込んでいくような。
登場人物ひとりひとりの心、やや冷めたくなっているであろう心を手で包んで温めてあげたい、そんなことを考えた1本でした。
ハーメル監督は、他にも『キッチンストーリー』などを手掛けています。
公式サイトはコチラ>http://www.christmas-yoru.jp/