4月のアタマに、お休みをとって遊んできました。
美術館に行き、スカイデッキで空を眺め、ひとに会い、オモシロい宿にも泊り、やっぱり本を読み。
次に記事書きます。
前振り終わり。
えー。
バレンタイン前後のあたり、ツイッターのタイムラインでカルディのビーントゥバーについてのリツイートが回ってきました。
そういえばカルディでガチの手作りチョコキット見つけた。手作りってどこから?あのね、カカオの豆を砕くところから。TOKIOみあるバレンタインを我が家に! pic.twitter.com/STpBw6EcFH
— まろ やか (@maroyak) January 23, 2018
作ってみたい! そして贈りたい! などとつぶやいていたところ、フォロワーのちいさん(@chii_nakanaka )に送って頂きました。ちいさん、ありがとうございます。
これです。
裏面の作り方には、このように書かれていました。
わたしは考えました。
「ビーントゥバーを作ってみた」というブログなどを見ると、達成感 or 労働感すごい、とあり…
4時間かかると説明書にも書かれています。
この◯時間かかるというのは、準備、片付けの時間は含まれず、かつ、不測の事態が起こらなかった場合、◯時間で終わる、ということだ。
4時間ーー
あ、そーだ、じゃー、手順を分ける、1日1行程でやってみよう。
ということで、一夜目。カカオの殻をむく
箱をあけて、材料を取り出しました。そのとき、ふわー っと カカオのすごく甘い香りが広がりました。
わー、いかにも! これからチョコレートを作るって気がする!
殻をむいていきます。
さほど固くないので、ぺきぺき割れました。むしろ、力を入れ過ぎて実も一緒に砕いてしまうことも何度かあり。
指先で ふわ っと はさむようにして割ると、きれいに実を取り出せます。
あと、ものすごく、手に香りがうつります。ちょっと野趣味のあるカカオの香りです。
説明書には、殻むきに 目安時間40分と書いていましたが、30分ほどで終わりました。
わ、わー、幸先良さそうー、と思いました。
二夜目。砕く
二夜目とか言いつつ、この日の朝、フードプロセッサでカカオを砕きました。
かなり小さくなるまで がががががっ と、利器に頼りました。
だいたい、インスタントコーヒーの荒めの粒くらいまでになりました。これをさらにすり鉢でガリガリします。
夜。
フードプロセッサのワークボウルに入れたまま、すりこぎでごりごりしていたんですが、なかなか細かくならない。やってみたブログなどでは、カカオがすり鉢の目に入り込むから、ガラスのボウルなどの方がいいかも、と書かれていましたが、やっぱり、すり鉢の切れ込み、目の部分がないと細かくならないようです。
わたしが普段、使っているすり鉢は、一人用一回分、ほんの少量擦る、7cmほどの口径の小さなものです。
それに、ティスプーンに軽く一杯、カカオを入れて擦ってみました。
これが。
なかなかに良くて、少量なので、すぐに擦れる。かなり細かくなりました。
しばらく擦っていると、カカオの甘い香りが変わってきました。
チョコレートマイナス甘さ プラスバターのコク のような香りです。
擦っている間、ずーっと「あー、この風味のペーストがあったらパンにつけて食べたいー」などと考えていました。
おそらく、擦ることによって油(脂?)分が生じているんじゃないかと。
そういうことを考えながら、約1時間20分で擦り終わりました。
目安としては50分と書かれていました。すり鉢が小さかったので、このくらいかなあ、と。
時間がかかっただけで、特に困ったことも、失敗もありませんでした。
順調だなあと思い、また、上手くゆき過ぎている、これは罠か、とも、思いました。
三日目。湯せんする
この日は休日で、かつ、午前中、宅配便を待っていました。
いつ来るかわからないので、まず早起きをして、朝ごはんを食べて、洗濯をして。
さてーー まだ宅配便が来ないので、では、カカオを湯せんしよう
フライパンにお湯をわかし、60〜70度にキープして、すり鉢を入れ、ごりごりと擦っていると、油分が出てきてなめらかになるーーと説明書に書かれています。
この通りにしてみました。耐熱ガラスのボウルにカカオを入れて、湯せんして、ごりごりと擦ってみました。
20分ほど擦ってみましたが、カカオの色が変わっただけで、相変わらずカカオの粉っぽいのは変化がありませんでした。
目安の40分まで、擦り続けましたが、カカオの粒が、やや細かくなった? かもしれない、気のせいかも、というくらいの状態でした。
あと10分だけ、と思って、擦り続けました。
1時間擦って、さほど変わらず、意を決して、添付の砂糖を入れました。

うわああああーー
さらに固形化が進みました。
せっかく細かくなったカカオがくっついてカタマリになり、砂糖でコーティングされたような、そんな見た目になりました。
作り方では、砂糖を加えるとそういう状態になるので、さらに擦り続けるように、と指示が書いています。
本当に、この固形化されたカカオが、ペースト状になるのか、と疑念が生じました。
失敗か。
水分が入ったのか。
やっぱりガラスボウルでは無理?
失敗だとして、リカバリするとしたら、ホットケーキとかスコーンに焼き込む?
やっぱりすり鉢いる? すり鉢があれば挽回できる?
すり鉢ーー ホームセンターに行って買う? 百均のお店?
や、ホームセンター、行ってすり鉢買って帰ってきて、少なくとも20分はかかる(すり鉢を選ぶのに時間がかからなければ)、その間、カカオ冷えるよね、冷えてもダイジョウブ? 変質しない?
いっそ、ご近所で借りる? や、それはあまりにもーー すごいカカオの香りがうつるよね、お返しするのあさってとかーー いやいやいやいや……!
ふと。
思いついて、食器棚の奥を見てみました。16cm口径くらいの、すり鉢がありました。
わたしは、チベットスナギツネ顔になり、すり鉢を洗い、拭き、マッチを出してきて内側をあぶり、水分を完全にトバして、ボウルからカカオをうつしました。フライパンに入れてごりごりすると、ものの3分ほどでツヤが出てきて、ものすごくカンタンにペースト状になりました。
すり鉢を発明したひとって天才ーー
などと思いながら、カカオを型に入れました。小さめのスプーンがやりやすいです。
冷蔵庫に入れて1時間。
できました。
ふちがぎざぎざになっているあたり、手作りのチョコレートという感じで。
食べてみました。
す、すごく成功……?
ややざらつきはあるものの、味としてはまったく問題がなく。
甘さ控えめのビターチョコでした。この、ちょっと苦いのすごく好みでした。
例えて言うなら、マクビティのチョコビスケットみたいな食感です。
時々、ごり っと当たるカタマリも、ナッツのチョコを食べているみたいで、良いアクセントになっています。
せ、成功……! おいしい……!
■■ビーントゥバーを作る時に■■
◯殻をむく時は力を入れないほうがいいです。指先ではさむ感じで。
◯フードプロセッサ、ミルサーがあれば早いと思います。ががががが っと できるだけ細かく。
◯カカオを擦るときは、少しずつ擦るとやりやすいです。ホントにティスプーン1杯くらいで。
◯すり鉢でカカオを擦っていると、ものすごく目が詰まります。説明書には竹串やハケなどで払う、と書いていますが、シリコンなどのやわらかいハケでは多分無理じゃないかなあ。先の平たいアイスクリームスプーンなどで、ごりごり掻き出すキアイで。
◯湯せん、60〜70度と書かれていますが、わたしは70〜80度くらいにキープして、温度が下がったらすぐに温めていました。その日の室温にもよると思いますが、ちょっと高めの方がいいかも?
◯湯せん、なかなかペースト状にならず、「この粉が本当にペーストになるのか、ミルクとか生クリームを入れないとだめなんじゃないか」と不安になりますが、突然、ぴかっとツヤが出て、そこからわりとすぐにペースト状になります。
◯使った道具、ものすごく油分が残ります。擦ったカカオを入れていたボウルなど、見た目は、カカオの粉がてんてん、と残っているくらいですが、触ったら、ものすごい油感あります。あと、香りもかなり残ります。
1日1枚、頂いています。
ちいさん、ありがとうございました♪
おまけ■■
カカオ(学名:Theobroma cacao)は、アオイ科(クロンキスト体系や新エングラー体系ではアオギリ科)の常緑樹である。カカオノキ、ココアノキとも呼ばれる。学名の Theobroma はギリシャ語で「神 (theos)の食べ物 (broma)」を意味する。(wikiより)
おまけ2■■
おまけ3■■
Ever tried. Ever failed. No matter. Try Again. Fail again. Fail better.
ずっとためされ。ずっと失敗され。構わない。またためす。また失敗する。もっと良く失敗する。
『いざ最悪の方へ』ベケット 長島確訳