近所旅行 #1 green
Enzo Mari の洋梨のポスターの前を通り過ぎた時、それは鮮やかなグリーンのスタンプのように僕の心の中に貼りついた。
開け放たれたドアから夏の空気を吸い込み、カルダーのイミテーションモビールが外のざわめきに合わせるかのように微かに揺れていた。
店を出て、外の強いコントラストの日差しを受ける。
セントラルパークを横切り、僕はプリッツェルの微かな塩味を味わいながら「コバルトグリーン」を探して歩く。
フラミンゴがひっそりとたたずんでいるような秘密めいたグリーンを求めて小さな旅をする。
プリッツェルの塩粒を払いながら、8月の緩やかな風を楽しむ。
はらりと落ちてきた小さな葉に、心を奪われる。